日本で働く人々に最も人気のある経営者―丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

9年間の米国駐在の間に培われた行動方式

   丹羽氏の、他の日本の財界人とは大きく異なる考え方と行動方式は、彼の9年間にわたる米国駐在生活の間に培われたものが多い。彼は主として大豆の買い付けと日本への輸出を担当していたが、成功も失敗も経験した。彼は仕事で超多忙だったにもかかわらず、ニューヨークの書店で米国の書物を漁り、幅広い分野の多くの人々と豊かな人間関係を築いた。彼は、業務上の取引でも、個人的な付き合いでも、常に相手と真剣に切り結ぶことによって、外国人の考え方を理解し、彼自身の生き方の幅を広げた。
   丹羽氏は日本でも有数の優れた経営者であるが、財界を代表する日本経団連会長の椅子に就く可能性はない。伝統的に製造業が重んじられる財界での商社の地位は比較的低く、貿易業界でも、伊藤忠商事は三菱商事三井物産の後塵を拝しているからである。また、彼のブリリアントな個性が、没個性的な日本財界の中で受け入れられにくいという面もある。とはいえ、丹羽氏は日本経済界の独特の存在として、国内外でさまざまな実績を残し、経済人だけでなく、一般の人々からも注目され続けるだろう。

聞き手・インタビュアー: 早房長治

1 2 3
姉妹サイト