歴史
バブル崩壊や消費の冷え込みで売り上げ減少が続く
創業の歴史をさかのぼれば江戸時代にたどり着くのが、日本の多くの老舗百貨店だ。そのため長い間、日本の流通小売業に君臨してきた。近年はスーパー、ディスカウントストア、通販など様々な流通業態の登場により、その存在が大きく脅かされている。
現在の連結売り上げ高ランキングでは、第1位が高島屋、第2位が三越、第3位が大丸、第4位が伊勢丹、第5位が西武百貨店、第6位が丸井、第7位が東急百貨店、第8位が松坂屋の順となっている。
百貨店業界は80年代後半から大都市に大型店の出店が相次ぎ、顧客の争奪戦が繰り広げられた。バブル経済崩壊や長引く消費の冷え込みが追い討ちとなり、百貨店業界も売り上げの減少が続いている。
2000年に全店舗が赤字になった名古屋の名門・松坂屋や、海外店を次々に閉めた大丸、新館を閉鎖した福岡の岩田屋、閉店になった福岡玉屋など、百貨店の不況は全国に及んだ。三越は1000人以上の人員リストラを断行。2000年7月にはグループ全体で1兆8700億円の負債を抱えていた「そごう」がついに経営破綻に追い込まれた。
百貨店業界は「すでに過去の業態」との厳しい指摘も聞かれるが、今後とも大型再編、淘汰は不可避の情勢となっている。
日本の大スーパーは小売りから複合企業へと巨大化
イトーヨーカドーの店舗
日本で初めてセルフサービス、薄利多売を掲げたスーパーが登場したのは、1957年のことである。もっともスーパーという言葉は食品を中心としたローカルチェーン展開の企業を指すことが多いが、日本のスーパーの代表とされるダイエーやイトーヨーカ堂、イオンは、百貨店並みに品揃えが豊富なことから「GMS」(ゼネラル・マーチャンダイズ・ストア)、あるいは「ビッグストア」と呼ばれている。
日本のGMSは本業の小売り以外にも、レストラン、ファストフード、ホテル、レジャー、ノンバンク、航空、物流など幅広く手を広げ、複合小売業から複合企業へと巨大化を遂げたところが多い。また大手GMSは、地方スーパーを傘下に収める一方で、ダイエーがローソン、イトーヨーカ堂がセブン-イレブン・ジャパン、西友がファミリーマートなど、大都市単身生活者を主要な対象にした24時間営業のコンビニエンスストアを展開し、大きく発展させてきた。
しかしディスカウント店や「100円ショップ」、安売りドラッグストア、「ユニクロ」(ファーストリテイリング)など新興勢力の台頭で、スーパーやコンビニも安閑とはしておれなくなった。
特にスーパーは最大手のダイエー、当時はセゾン系の西友(現在は米ウォルマート・ストアーズ傘下)、関西が地盤のマイカルなどが過大投資や過大借金などの影響で経営危機に陥り、2000年2月には長崎屋が経営破たんに陥った。コンビニでもファミリーマートが伊藤忠商事に、ローソンは三菱商事に、ダイエー系列で中堅の食品スーパーのマルエツは丸紅にと売却が相次いだ。