紅葉がピークを迎えた京都に観光客が殺到し、大混乱になっている。警備員や係員が通行を誘導したり、危険なところに入り込んでの写真撮影をやめさせようと声を張り上げるが、ほとんど効果なしだ。嵐山では、普段は5分もかからず渡り切れる渡月橋が30分もかかり、 は3時間待ちの長蛇の列。車道には人があふれ「歩行者天国状態」になってしまっている。
本堂を改装中の清水寺も、参道や境内は身動きができないような人込みで、音羽の滝や御朱印の受付所にも長い列ができていた。永観堂では、撮影禁止スポットの橋の欄干に座って写真を撮るなど、マナー違反も目立つ。
混雑しているのは実はこの8か所!京都市役所も「穴場紹介します」
京都市内には世界遺産が14か所、お寺や神社は2000を超えるが、ひどい混雑となっているのは10か所にも満たない。特定の観光名所に集中してしまう背景には、SNSの普及で「インスタ映え」などを狙い、人が人を呼ぶ現象があるという。なるほど、紅葉スポットでは、紅葉を楽しむというより、スマホをかざして我先に「映え」写真を撮ろうとする人ばかりだ。
京都市は、とくに混雑している金閣寺、銀閣寺、嵐山、二条城、永観堂、清水寺、祇園エリア、伏見稲荷の8か所に集中しないように、空いている時期の情報を発信したり、朝や夜の時間帯にイベントやキャンペーンを実施したりと観光客を分散化しようとしている。今後は、混雑スポットの近くのエリアで空いている観光名所を案内するシステムも今後導入する予定だ。
アムステルダムは乗り入れバス制限やチケット制
浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「オランダのアムステルダムのように、1日に入れるバスの台数を制限する、あるいはチケットで制限するなどはできると思います。そうすれば、無駄に足を運ばなくても済みます。お寺は文化財でもあるので、一時に大勢の人が行くと傷んでしまう。保護の観点から人数を制限するという動きも出てきているのだと思います」
司会の羽鳥慎一「オーバーツーリズムですが、生活している人も当然います」
門川大作・京都市長は「京都は観光のためにつくられた都市ではありません。市民の暮らしを大事にしないと、京都が京都でなくなる」と危惧する。
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「京都駅から清水寺に行くバスなんか、一般の人が乗れないっていいますもんね」