<真昼の悪魔>(フジテレビ)
連続殺人鬼役・田中麗奈のおぞましい人体実験!社会派に狂気をブレンド「東海テレビ」テーストのいい味

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   昨年春、同じ東海テレビによる"オトナの土ドラ"枠で放送された「火の粉」のスタッフと、伊武雅刀、大倉孝二らキャストが再集結。原作は1980年に発表された遠藤周作の同名作品だが、本作も連続殺人鬼が主役の話で、今回は病院の優秀な外科医・大河内葉子(演・田中麗奈)が、人知れず患者を殺していくという、ちょっと昨年現実に起こった事件を想起させるようなお話だ。

   先日の第4話では、同僚の女医・渡来(演・福田ゆみ)が親しくしてもらっていた大物政治家が入院しているが、症状が改善しない。そこで大河内は、まだ動物実験の段階で、無認可の新薬を投与するよう提案。しかも、いきなり本人でやらず、他の取るに足らない、じいさん患者で試そうという、更にゲスい考えを実行。悪魔の素顔を徐々に隠さなくなっている大河内は、その人体実験の患者に「あなたは何の役にも立たない人間、そこら辺の虫ケラと一緒なの」などと告げる。こういう部分も昨年の違う某事件を想起させるところである。

   もちろん今回の作品でも、この悪事を暴こうとする人間もいる。作家志望の患者・難波(演・中村蒼)だ。しかし、今までも失敗して、本当はそうじゃないのに、大河内に初期のがんと捏造させられ、必要のない手術を受けている。更に先程の大河内の「虫ケラ」発言を盗聴・録音に成功するも、みんなに発表するときになって、音声がすり替えられているのに気づき、窮地に。例の発言も大学の先輩でこの病院の外科部長・吉田(演・鈴木省吾)も生で一緒に聞いていたが、例の大物政治家と繋がっていたいという思いから、「彼は重い心の病を抱えている!」と後輩を裏切る。結局、難波は心療内科に入院させられてしまう。病院全体に悪魔が波及する。恐ろしい。

   また協力者だと思われていた、清掃員の芳賀(演・篠原篤)もいたが、実は大河内の殺人行為に心酔していてストーキングしていたから、いろいろ詳しかっただけで、結局この第4話で裏切られてしまう。更に大河内に男として言い寄り、大河内に他の男にもやっている「手の甲に針を刺して楽しむ」のをやらせてと言われると、普通はそれだけでヤバイのに、「大河内先生ほどの人がどうしてこんなショボイことを」とかのたまう。第5話以降では、一応大河内の彼氏に収まって求婚している、間の抜けたドMな実業家・大塚(演・大倉孝二)とのまさかの恋愛バトルに発展。

   社会派で考えさせられる内容に、東海テレビおなじみの気の狂った世界観が見事に混じり合い、非常に見応えのある作品になっている。今後の展開にも期待できる。

(フジテレビ 2月25日(土)夜11:40放送)

鯖世 傘晴

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