法の規制を尻目に、文部科学省が組織的な天下りあっせんを行っていた問題で、衆院予算委が昨日(2017年2月7日)集中審議を行った。キーマンとされる人事課OBの嶋貫和男氏は「人助けだった」としたが、月2回の出勤で報酬1000万円という天下りに、委員会室がどよめいた。
審議には、参考人として嶋貫氏、前川喜平・前事務次官と歴代人事課長が顔を揃え、悪びれた風もなく、議員の質問に答えた。浮かび上がったのは、高級官僚の生活......。
嶋貫氏は人事課のOBで、法改正で省内での天下りあっせんが禁止されたため、退職後「文教フォーラム」という団体を立ち上げて、企業・大学の求人情報を集め、これを人事課に流して、退職者の再就職の「あっせん」をしていたとされる。ために「裏の人事課長」と呼ばれていた。
こうした行為を嶋貫氏は、「民間人の立場で許される範囲と考え、人助けという思いで行ってきた」と述べた。「ボランティアで人助けなんて、誰が信頼するか。誰からの指示だったのか」(公明・高木美智代氏)と突っ込まれたが、「多くは私なりの判断で行った」と突っぱねた。
前事務次官「万死に値する責任」と
この問題で引責辞任した前川・前事務次官は、「国民の信頼を揺るがしたことは万死に値する責任があると考えている」とあっせんが組織的だと認めたが、一方で「OBによる再就職あっせんは再就職規制に当たらないと軽率に信じていた」といった。軽率?計算?
それより、嶋貫氏が就いた大手生命保険会社顧問の勤務実態を「月2回の勤務で報酬は1000万円か」と問われ、「金額はその通り」と答えると、「お~」という声が上がった。これぞ天下り。誰だって定年後も働きたい。働かないといけない。それが現役時代より優雅に、それが高級官僚の天下りだ。当然見返りが必要だ