この寒波にやられて風邪にインフルエンザ、ノロウイルスになっちゃった。という人が増えそうです。そうならないように予防が肝心と、うがい手洗いの徹底しているつもりだけれど、やっぱり風邪ひいた。というのが常な気がします。でも同じ風邪でももっとつらいのが、心の風邪。そう、うつ病です。
周りにも、うつ病になって苦しんでいる友人が何人かいます。友人らは皆30代になってからでした。厚労省の調査でも、30代の3割超が過労によってうつ病などの精神疾患を発症し、労災認定を受けているというデータが出ています。ちなみに、年代別で30代が最も多い結果になったそうです。また、大手企業の社員でうつ病休暇をとった約半数の人が、復帰後に再発して病気休暇を再取得していたという同じく厚労省の研究結果が、最近発表されています。いかに心の風邪が難しい病気なのかを物語っているものでした。
仕事のストレスで心身ともにバランスを崩して、うつ病を発症してしまう。ある知人は、まさか自分がうつ病になるなんて!と数年経った復帰後に語っていました。長年音楽業界に身を置いてこの業界の酸いも甘いも知っていたにもかかわらず、病気になって結局仕事を辞めた彼女。原因は、不規則で長時間にわたる労働環境と上司からの叱責でした。早朝からレコーディングもあれば夜中から開始の場合もある上に、業績やスケジュール管理しているアーティストのパフォーマンス不足を上司に責められたと言います。
また放送局勤務の知人は人事異動が原因だと言います。いくら希望を出しても通らない、過小評価されていることが彼には許せないことだったと。それならさっさと転職すればいいじゃないと思いがちですが、表に出ている仕事だと転職は至難の業。結局、自分は価値のない人間なんだと落ち込み、会社に行くことができなくなり現在も2年ほど長期休職中です。そんな彼に1年半ぶりで会って話を聞いた時、自分の人生についていろいろと考えさせられました。
突如として頭が割れるような痛みに襲われ、首も痛く起き上がることすらできない。結果、入院となり杖がないと歩くことが出来なかったという彼。現在は電車に乗って人ごみにも1時間ほどなら耐えられるようになったけれど、まだ会社には行けないと言います。彼曰く、自己否定は以前より酷くなく、たまたまアノ会社と自分の相性が悪かっただけなのだ。それをガマンして頑張って努力してきた十数年。頑張り病というものにかかっていた自分に気が付けたと。そんな彼は復帰したとしても、治療中に取得した資格を活かせる場所に異動願いを出したい、それがかなわないようだったら退職するつもりだと話してくれました。うつになったことで別の人生を歩む選択肢を決断できるようになったそうです。
ボーっと考えない時間を作ること大事
うつになっちゃったことで人生を大きく方向転換させて現在安定しているという人もいます。元システムエンジアだった友人は長年の闘病後、現在インドネシアに居を構えています。以前の職を活かして現地のIT企業でチョコチョコ仕事をしながら、気が向けばビーチに出かける、趣味のDJ活動を再開していると連絡を受けました。日本を離れてから3年、異国で新しい自分と出会えたよと、イキイキとした表情をスカイプ越しに魅せてくれました。ちなみに渡航して以来、一度も帰国はしていません。
30代、何かと心に隙間風が吹いて、そのまま心の風邪をひいてしまう。予防はどうすればいいのか。うがい手洗いに近い日頃から出来るものとして、頑張り病の自分に気が付いたという彼が教えてくれました。テキトーにやって一日の中でボーっと考えない時間を絶対に作ること。だそうです。これが大事な事だっていうのに気が付いた時は、ご用心です。
モジョっこ