<ニッポンぶらり鉄道旅>初詣のついでに、江戸風情が残る東京の街をぶらつくなんていうのはどうでしょう。俳優の川久保拓司さんが案内するのは、大江戸線を飯田橋駅で降りた神楽坂です。神楽坂は江戸時代はすぐ下を流れる神田川の舟荷物の集積地として栄え、大正時代になって花街で人気となりました。田山花袋、夏目漱石が通い、尾崎紅葉、泉鏡花が住みました。
いまでも曲がりくねった路地と黒塀の静かなたたずまいが残り、そこを抜けると「毘沙門天善國寺」です。あたりには若宮八幡や赤城神社、小さな社も点在していて、ここで新年のお参りなんていうのもよさそうです。それぞれに屋台が出たりして、お正月のにぎわいがあります。もしかしたら、年賀のあいさつ回りをする黒紋付姿の芸者さんと行き違うかも。
富岡八幡宮は大晦日から大にぎわい
川久保さんが大江戸線で次に降りたのは清澄白河駅です。地上に出れば、そこは深川。江戸の下町の代名詞です。横町の佃煮屋さんをのぞいた川久保さん、さっそくあさりの佃煮を試食してみました。
「おいしい。ごはんがほしいねえ」
その隣は土産もの屋さんで、店先でご主人が南京玉すだれなんかを披露しています。店の奥ではおばあちゃんが駄菓子やお手玉を売っていました。近くの富岡八幡宮は大晦日から大にぎわい。深川でむかし懐かしいお正月に浸ってください。(2016年12月17日あさ7時45分再放送)
涼