国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長はきのう19日(2016年10月)に安倍首相と会談し、東京五輪の競技の一部を東日本大震災の被災地で開催することを提案し、首相も歓迎の意向を示した。
バッハ会長は「たとえば、日本チームが参加する野球の試合を被災地で開催すると、非常にパワフルなメッセージを発信できるのではないか」とかたったが、これはなかなかに微妙な提案だ。ボート・カヌーの会場候補のひとつに宮城県の登米市の長沼がある。東京から離れていることが最大のネックだが、被災地開催という大義名分は十分に成り立つからだ。
「1対3」の4者会談!小池VS東京都・組織委・IOC
バッハ会長は東京五輪組織委の森喜朗会長とも会談し、笑顔で「組織委は森会長の下でいい仕事をしている」と持ち上げ、森会長も満面の笑みで「協力一致してまとめ上げていく」とIOCへの全面協力を語った。ところが、記者から「4者会談(都、組織委、政府、IOC)を都が仕切ると言っているが」と質問が出て表情が変わった。バッハ会長は「誰が仕切るとか引っ張るとかいうグループではない。あくまで作業グループであって、政治グループではない」と切り抜けた。
五輪会場の見直しはまだ曲折がありそうだが、けさ20日付の「スポーツニッポン」はバッハ氏と森氏が笑顔で握手する写真を載せ、「森&バッハ、仲良し見せつけ」「小池封じ」「五輪ボート『海の森』へ着々」と報じた。
防戦一方の森会長にIOCの援軍
木下康太郎アナ「被災地開催は長沼への追い風になるという見方もあります」
司会の小倉智昭「いや、野球を被災地でやれば、ボートを持っていくことはないといいたいんでしょ、バッハ会長は。『海の森』でやりたいんだから」
最後はやはり小池VS森の対決となるか。「都にとやかく言われることはない」という森会長だが、五輪憲章では組織委は都の下部機関となっている。都は金も出している。バッハ会長は政府も含めて「対等の」作業部会を提案して、助け舟を出した形だ。
まだみんな、小池氏をよくわかってないのではないかな。