夏休みの1日、福島の裏磐梯で小学生50人を集めた「ザリガニ釣り大会」が行われた。特定外来種のウチダザリガニを駆除して、捕まえたものは食べちゃおうという地元観光協会の催しだった。結果は大漁で、リポーターの岡安弥生も食べてみたら、「ああ、カニだあ」
アメリカから食用として持ち込まれたウチダザリガニ
ウチダザリガニは1926年に食用のためにアメリカから北海道や滋賀などに持ち込まれたのだが、最近は他県にも広がり、千葉、長野、福島、今年になって栃木でも生息が確認された。日本の固有種やアメリカザリガニより大型で、肉も多く、ハサミの力も強い。
裏磐梯では生態系に影響を及ぼしており、とくにホタルの幼虫を食べてしまうために、ホタルの減少がかなり深刻な状況にあるという。このままでは絶滅してしまうと、ホタルを守るための催しだった。
子どもたちが棒に結んだ糸に餌をつけて垂らすと、面白いように食いついてくる。ハサミで餌をつかんだまま釣り上げられるというわけだ。大きいものは大人の手にひらくらいの長さがある。イベントでは、わずか1時間で187匹を捕獲した。
黒っぽい灰色で、バケツの底にうごめく様は不気味だが、これをお湯で茹でると鮮やかな赤に変わる。岡安は「エビを茹でた時のような甘い香りがしてきました」という。味わってみた子どもたちは「甘い」「これにご飯を合わせたらうまそ」。中には頭まで食べちゃった子もいた。
北海道のものは飲食店に食材として提供されているようで、六本木のレストランでは盛り合わせが3900円という高級食材だ。「オマールエビに近い味」だという。