週刊文春の新谷学編集長が去年(2015年)はスクープが部数に結びつかず、春画も何とか部数を上げようとした一連の試みの中でやったことだといっていたが、ABC公査・雑誌販売部数比較表でよくわかった。2015年7月~12月の下半期の部数は、週刊文春は約38万部で前期比91・18%、前年同期比86・79%とひどい落ち込みなのだ。
週刊新潮も約29万部、90・99%、87・64%と大低迷している。それに比べて、週刊現代は約33万部で108・17%、102・49%、週刊ポストは約26万部で120・16%、100・86%と伸びている。スクープで勝負している2誌が落ち込み、死ぬまでSEX特集を飽きずにやっている2誌が健闘しているという構図である。
フライデーは約14万部、FLASHが約10万部、週刊朝日が約10万部、サンデー毎日が約5万部。前期比、前年同期比ともに100%を超えている雑誌は上から、文藝春秋、週刊現代、サンキュ!、週刊ポスト、sweet、リンネル、めばえ、nicola、otona MUSE、ポップティーン。
ちなみに、全雑誌の第1位は家の光で約57万部である。この雑誌は1925年5月に産業組合中央会によって創刊された月刊誌で、情報に乏かった農村部を中心に部数を伸ばし、一時は100万部を超えていた。
「新聞やテレビも検察の言い訳を代弁するばかり」
甘利明前経済再生相は東京地検が彼と元秘書らを不起訴処分としたので、政治活動を再開すると発表した。これに腹を据えかねているのが、彼らを週刊文春で告発した建設会社の元総務担当者・一色武氏である。一色氏はこう話している。
<「多額の金銭授受を伴う事件が、なかったことにされようとしています。到底納得することはできません。私自身、逮捕覚悟で、『ワイロ』を渡したことを実名で証言しました。
そうした私の捨て身の告発も、国家権力の前では無力だったことに悔しさを覚えます。(中略)恐れずにいうなら、検察には最初から結論ありきのシナリオが出来ていたとしか思えないのです」>
一色氏の自宅には強制捜査が2度入ったが、<「甘利氏や元秘書の自宅にガサが入ったという報道は一切ありません」(一色氏)>。また、検事からマスコミには一切しゃべるなといわれていたのに、検察が不起訴を発表する前日には一斉に不起訴と報じられた。
<「こうやって検察の都合のいい情報をリークしていくんだなと実感しました。(中略)『十分な証拠がなかった』などと、不起訴を決めた検事の言い訳を代弁するマスコミはあっても、甘利氏や元秘書らに何を聴取したのかという肝心な話を伝える新聞やテレビがないのは残念です」>
しかし、これですべて終わったわけではない。検察が下した不起訴処分という結論に対して、市民団体が検察審査会に不服申し立てを行っている。<「今度こそ検察審査会でしっかり審査をしていただき、『起訴相当』であると判断されることを期待しています。そして私を含め、甘利氏と元秘書を逮捕すべきです。そうでなければ検察は二度と不正を働く与党の大物政治家を逮捕することなどできないでしょう」(一色氏)>
日本は三権分立ではない。裁判所も検察も「権力のポチ」化していることがこの件でも証明されたということだ。