熊本地震の被災地に悪質なデマが飛び交っている。ツイッタ―に次のような投稿があった。「おいふざけんな、地震のせいでうちの近くの動物園からライオン放たれたんだ。熊本」。このつぶやきには市街地を徘徊するライオンの写真が付けられていた。「根拠のないデマ」という書き込みもあったが、「ライオン歩いていてやばい」「拡散希望 逃げ出したライオンが徘徊している模様ですよ」などといった便乗悪質者もいる。
無視できなくなった熊本市動物園はホームページで「動物はすべて無事であり、脱走などはありません」とながしたが、被災者は「おいふざけんな」と怒り心頭だったろう。
法律で罰することはできないのか
ほかにも、ネット上には「川内原発で火事」「ショッピングモールで火災」というデマ情報の投稿も相次いだ。それがツイッターのリピートボタンを押すだけで簡単に拡散している。ITジャーナリストの三上洋氏は「厄介なのは拡散する理由が悪戯だけではないこと。拡散するだけで何か役に立つ、もしくは拡散したことで自分も協力できた、何かを実現したかのような誤解をしてしまうんですね」
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「非常時にはいろんな意識が増幅していくんですね。善意だけでなく、悪意のほか、差別意識も広がる可能性もある。関東大震災に時に悲劇(朝鮮人が井戸に毒を入れたという流言を間に受けた虐殺)がありましたよね。文明の利器によるデマ情報増幅のスピードはすごいことになっています」
悪意のデマを流したり、拡散したりした不届き者を罰することはできないのか。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト