九州中部で続いている強い地震は、熊本から阿蘇へと広がり、大分を震源とする地震も起こって群発の様相だ。震度1以上の余震は18日(2016年4月)午前0時までに508回にのぼっている。死者は42人、負傷1000人以上となっている。
「スッキリ!!」は益城町に阿部祐二リポーター、南阿蘇村に大竹真リポーターを出しているが、14日に前震ではまだ建っていた家やコンクリート塀が、本震で崩壊していた。
このため、住民は家にいられない状態が続いていて、熊本県内で11万人が避難しているというが、現状把握が十分でなく、支援物資の配布も滞っていたり、避難所のスペースが足りないところも出ている。
世界にも例がない「強い前震と弱まらない余震」
地震は初めにドーンと大きく来て、余震は次第に小さくなっていくと考えられていたが、今回はそうではなかった。国立極地研究所の神沼克伊・名誉教授によると、「まったく予想できなかった地震」という。世界でも前例がないそうだ。
熊本地方には東西に走る布田川断層と南西に走る日奈久断層とがある。前震は2つの接点近くが震源だったが、本震は布田川断層の東側。さらにその後、東に大きく離れた大分県内でマグニチュード5・8と5.3の地震が続いた。ここは別の断層帯になる。両者の関連はいまのところ「刺激しあった」としかいえないらしい。微小な群発地震は熊本から南西へ広がっている。刺激の連鎖が続くと、その延長上には稼働中の川内原発がある。
本震では南阿蘇村で活断層が地表に現れていた。麦畑の真ん中で地面が東西に2メートルもずれていたり、道路がずれて家が路上にせり出しているところもあった。断層の長さは27キロと研究者が確認したという。