太陽光で発電するソーラーパネルが乱立して、八ヶ岳のふもとの山梨県北杜市で住民とトラブルになっている。市内1100か所に設置され、さらに4500か所に増える見込みだ。住宅の周りにずらりと並んだパネルのため気温が上がり、雨の日は泥水があふれる。
北杜市はかつては山間の静かな里村だったが、日照時間が日本一で、ひまわり畑が映画のロケに使われたことあり、市役所は積極的にソーラーパネル設置を誘致してきた。
気温上昇、雨降ると泥水濁流
20年前から北杜市に暮らす女性は、近くの林が突然切り開かれ、住居と目と鼻の先にパネルを置かれた。「以前は涼しくて、扇風機を年に1回くらいしか使わなかったのですが、今は暑くてたまりません」「雨が降ると泥水が周辺に流れ込んで、長靴をはいても歩けないほどです」と困惑する。家の3方向をパネルに囲まれてしまった。
横浜市から移住した男性は「敷地境界から13メートル離して設置するという話だったが、実際には1・5メートルしか離さない。この頃では業者が電話にも出なくなった」という。パネルの多くが設置会社名の表示がない。市への届け出の義務もない。
設備そのものも危なっかしい。針金だけでパネルとパイプをつないだり、フックが外れているものもある。土台がドラム缶を並べただけだったりする。
設置業者「法律に違反していない。自分の土地だ」
大阪から自然にあこがれて移住してきた男性は、設置工事の中止を求めて訴訟を起こした。3年前に突然、周囲の木が倒され、コンクリートブロックを並べた上にパネルを何枚も置かれた。新しい増設計画もあるらしい。「逃げ出したいが、地価が半値か7掛けにしかならない」と話す。
その中止を求めている場所で、おととい28日(2016年3月)、訴訟相手の会社代表と妻がパネルの設置作業をしていた。代表は「ノーコメント」と言い、妻は顔を出さない条件で「法律に違反していない。みんなやっている。自分の土地に何でダメなの、どうしていけないの」と反論した。
司会の羽鳥慎一「これはどうなんだろう。太陽光発電そのものは悪くないし、ルール違反でもないと思いますが、台風でもきたらパネルが飛ぶのではないでしょうか。法に問題があると思います」
環境にやさしい自然エネルギーを強調しながら住環境と自然と壊す。ソーラーパネルも建造物だ。なんらかの法規制は必要だろう。