福岡県北九州市の市会議員が2年4か月も議会に出席していないのに、3250万円の報酬を受け取っていた。そういう制度なのだというから呆れる。木村年伸市議(56)は2013年9月議会の初日に出席したのを最後に議場に現れず、委員会にも出席していない。
報酬は2015年3月までが毎月80万9600円、4月からは88万円に上がり、ボーナス4回913万円も受け取っていた。とんだ超高額の有給休暇があったものだ。
議員活動できないなら辞職しろ
木村市議はなぜ議会に出てこないのか。「とくダネ!」の取材にきのう20日(2016年1月)夜、本人から電話があり、「糖尿病から合併症になり、手術を4回受けた。本会議や委員会を150回休んだが、電話などでできる仕事はしていた。議会に出ることだけが仕事ではない」と語った。議員報酬を全額もらうことには自分も抵抗を感じると言い、昨年1月からは受けとっていないという。
現在の制度では議員が報酬を返上すると違法になる。政令指定都市では札幌市だけが1年以上の欠席議員の報酬を30%減らす規定を設けているが、あとは取り決めはない。新潟大学の田村秀教授は「本来、議員が早期に辞職すべきだ」と指摘する。
祖父から続く地方議員一族
木村市議は祖父、父から続く世襲で、当選3回、自民党系会派に属している。「どんな困難にあってもやりとげる勇気をもって市政にあたっています」とホームページではPRしている。
司会の小倉智昭「本人の自覚と制度上の問題がありますよ。有権者としては、議会に出られなければ辞めてくださいと思うでしょう。議員定数や報酬を減らすとなると、議会はなかなか通さない。良心に頼るしかないのかね」