<江戸川乱歩生誕120周年没後50年記念「黒蜥蜴」>(関西テレビ・フジテレビ系)
笑ってしまったチープな「黒蜥蜴」!真矢ミキは普通のオバサン、時価120億円宝石は見るからにガラスのオモチャ・・・

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   江戸川乱歩の「黒蜥蜴」は美輪明宏の代表作だが、今回は真矢ミキである。元宝塚トップスターがどんな美貌の大盗賊を演じるか、これは見モノだ。対決する明智小五郎(渡部篤郎)は探偵ではなく、警視庁第89代副総監だという。明智と行動をともにする小林少年(流星涼)は捜査一課の刑事、捜査一課係長の浪越善四郎(山下真司)、黒蜥蜴に仕える使用人雨宮(里見浩太郎)、時価120億円の宝石「聖夜の涙」を所有する岩瀬グループ会長の岩瀬(升毅)、その娘の早苗(剛力彩芽)となかなかの顔ぶれを揃えた。ところが・・・。

美輪明宏が見たら卒倒しそうな「低予算つくり」

   予算がなかったのか、いろいろとチープ過ぎて残念だ。劇伴も安っぽくて、いっそクラシックかジャズでも流しておいたほうがまだ邪魔にならなかった。笑ったのは黒蜥蜴の部屋である。背景はまっ白で、そこにラグマットを敷いた上にソファーを置いただけというコントのような造りなのだ。美を愛でる黒蜥蜴に相応しいゴージャスな家具調度品や美術品を用意するとなると、レンタルするにしてもそれなりのお金がかかる。何もない真っ白な空間で誤魔化したのかもしれない。

   時価120億円の宝石「聖夜の涙」もどこからみてもガラスのオモチャで苦笑してしまう。警視庁の捜査本部も貸会議室にしか見えない。劇場のロビーや階段にまでベルベットのカーペットを敷くようにこだわった美輪明宏が見たら卒倒するのではないだろうか。

見せたのは真矢と夫の共演ダンスだけ

   話題を集めたのは、真矢ミキとダンサーである夫・西島数博がテレビで初共演するもので、放送日は結婚記念日にあたるとか。そのシーンはオープニングのダンスで、真矢と西島は黒の衣装でエネルギッシュなダンスを披露した。真矢の主演ドラマに夫が華を添えたという感じで、ここが1番よかった。

   真矢はいつものまんまで演技してるのって感じだし、渡部の明智もスカしていて魅力なし。山下は「ルパン三世」の銭形警部のものまねかというような役作りが余計だし、剛力彩芽も表情が乏しい。里見のカツラがなぜそれを選んだかというもどの似合わなさで、出てくるたびに気になった。

   いろいろと残念なドラマだった。江戸川乱歩生誕120周年没後50年の記念ドラマなのだから、もう少し予算を掛けて欲しかった。(2015年12月22日夜21時~)

くろうさぎ

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