徳島市でおととい3日(2015年10月)、視覚障害者の立場から交通安全を訴えていた山橋衛二さん(50)と、盲導犬のヴァルデス(10歳)がバックしてきたトラックにひかれて死亡した。
山橋さんは19歳のとき事故で視力を失い、約8年前からヴァルデスと生活をともにしてきた。ヴァルデスについて「やさしくて賢くておとなしくて、ちょっぴり遊び好き」と話し、「24時間ずっと一緒に生活しているので、お互いを知り尽くしてる感じですね。盲導犬と一緒ならどこにでも行ける気がするんです」と頼りにしていたという。
ヴァルデスはこの日が10歳の誕生日で、高齢のため今月11日に盲導犬引退を控えていた。
誘導者なく、音声警報も切ってバック
警察の調べによると、事故を起こしたトラックはバックで資材置き場に入るところだったが、誘導する人はおらず、バック時に流れる音声も切られていた。警察はトラックの運転手に事情を聞くなどして、事故原因を調べている。
川村優希(医師)「運転していた人には『ここなら大丈夫』『人が通っても気づくだろう』といった甘い考えがあったのではないでしょうか。私たちのなかには、視覚障害や聴覚障害の方がたくさんいるので、それは誰もが念頭に置かなければいけないし、運転していた人は細心の注意を払う義務があったと思います」