先月10日(2015年9月)に福岡県北九州で見つかったツマアカスズメバチは、この十数年でアジアから世界各地に生息域を広げ、死者も出ている凶悪スズメバチだ。「体長は2センチほどで、日本に生息するオオスズメバチよりは小さいのですが、とにかく繁殖力が強いのです。フランスでは7人が刺されて死亡、韓国では駆除が追いつかず消防士1人が死亡しました」と三輪秀香アナが伝える。対馬での生息は確認されていたが、北九州に上陸していたわけで、これが九州全域から本州に拡散する勢いなのだ。
天敵なく旺盛な繁殖力
北九州市新町の浄化センターで見つかったツマアカスズメバチの巣は直径50センチほどで、中に約1000匹の幼虫がいた。対馬からの上陸を防ごうとしていた役所は慌てた。「新たに巣を作る女王蜂が出て来る前に早期発見、早期駆除をしないと大変なことになる」と環境省の田上真吾氏は言う。
三輪アナ「人を刺すだけではなく、ミツバチを殺してしまうため、カボチャの花の受粉が減って農家には大打撃になっています」
九州大学の上野高敏教授は「このスズメバチは外来種で天敵がいないため、爆発的に増えていく可能性があります。すでに船やトラックで北九州以外の全国各地に広がっている恐れがあります」と警告している。
柳澤秀夫キャスター(解説委員)「刺されないためにはどうしたらいいの」
三輪アナ「上野教授は3つの対策をあげています。第1に巣に近づかないこと。第2に黒っぽい服は避けて薄い色を着る。第3に帽子を被るです。
このスズメバチは都市部のマンションや緑の木々の比較的高い所に巣を作りますので要注意です。また、畑仕事や草刈りでは細心の注意を心がけて下さい」
(磯G)