「中国から腹の赤い超攻撃的で厄介なスズメバチが九州に上陸しました」と、羽鳥慎一キャスターがこの獰猛なスズメバチの実態に迫った。
ハチの名前は『ツマアカスズメバチ』。2015年8月28日、北九州市の下水処理場で初めて巣が見つかった。このため九州地方環境事務所では先週の9月18日から同市小倉北で、営巣状況の調査を始めた。
中国から貨物船に乗ってやってきた説が有力らしいが、海を越えて飛んできたという説もある。というのは2003年に韓国で生息が確認され、3年前の2012年には長崎県対馬でも生息しているのが見つかっている。
環境省は2015年1月に『特殊外来生物』に指定し、営巣の調査や捕獲など水際対策を進めてきた矢先だった。
生ゴミも餌に、何回でも執拗に刺す
このツマアカスズメバチはどんな特徴を持っているのか。ゲスト出演したスズメバチ研究の第一人者で、日本昆虫学会員の中村雅雄氏によると、原産地は中国南部や東南アジアで、腹の下部が赤褐色なのが特徴。日本に生息するキイロスズメバチよりも一回り小さい。
ところが、巣は高さ3.2メートル、幅1.6メートルに達するほどで、女王蜂1匹が5000~1万の卵を産む。キイロスズメバチの女王蜂1匹につき500~1500と比べて、とてつもない繁殖力を持つ。普通はトンボやミツバチを餌にしているらしいが、高さ30メートルのビルにも巣をつくり、生ゴミも食べるので都会に適応できる厄介な連中という。
韓国では生息するハチの半数がこのツマアカスズメバチで占められているほどで、中村氏は「日本も10年後には全国に生息する可能性がある」と心配する。
刺されると激しい痛みを伴って腫れるが、場合によっては急性アレルギー反応(アナフィラキシーショック)で死に至ることもあると警告。
1回刺せば自分が死ぬミツバチと違って、「このスズメバチは執拗に追いかけてきて何回でも刺すため、ただ逃げすしかない」(中村氏)と注意を呼びかけている。