アメリカの歌姫テイラー・スウィフトの新ミュージックビデオ「Wildest Dreams」がなにかと話題だ。アフリカのワイルドな大自然を舞台に、テイラー扮する女優と男性俳優が恋愛を繰り広げるというストーリー仕立てで、映画の「イングリッシュ・ペイシェント」「愛と哀しみの果て」(アフリカの日々)を思わせるような映像となっている。
ユーチューブ視聴者から批判
動画サイトのYouTube(ユーチューブ)では約5700万回も再生(2015年9月月時点)されている。しかし、思わぬ批判も起こった。撮影地がアフリカなのに、ネイティブでマジョリティーであるはずの黒人がほとんど出てこない。ビデオの内容も、かつての「白人が支配するアフリカ」を思わせ、そうした世界を肯定的に描いたノスタルジー的な映像だというのだ。
テイラーは、しばしば「白人」の保守的な音楽と見なされるカントリーミュージックにベースを持つアーティストで、彼女のミュージックビデオは総じて、人種的多様性の確保に熱心には見えない。そうした彼女の作風、立ち位置も今回の批判に影響している可能性はあるだろう。
批判を受けて、ビデオの撮影監督は人種差別的な意図はまったくないと打ち消しに躍起になっている。