「鬼怒川水害」早く逃げなかった住民が悪い?国交省擁護の大学教授に違和感

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   10日(2015年9月)の大雨で決壊した鬼怒川の堤防箇所は、国土交通省が切れるとシミュレーションしていた場所と1キロも離れていなかった。鬼怒川の堤防は土を高く積み上げ固めたもので、高さ3メートル、幅4メートルある。中央大学理工学部の山田正教授は「長時間の降雨で堤防の中に水が滲み込んだ。堤防はたっぷり水を含むと土の粘りけがなくなり、中がグジャグジャな状態になってしまうんです」という。

   また、鬼怒川は決壊場所から20キロほど下流で利根川と合流している。山田教授は「鬼怒川に比べ、利根川本線の水位が高いので、なかなか鬼怒川の流れが抜けにくい」ことが災いしたという。

シミュレーションで決壊予測

   司会の羽鳥慎一「異常な長雨で、もう少し事前の対策が打てたように思うのですが」

   山田教授「鬼怒川は河川整備計画に基づき、30年計画で数年前に下流から強化工事をやり始めていました。進捗状況は30~40%だと思います。その工事がまだ決壊場所までいっていなかったんです」

   作家の吉永みち子「でも、せっかくシミュレーションしたのだったら、危ないエリアのところの住民に早めの避難をさせるとか、ソフト面で国交省と地元自治体が連携できなかったのかなと思いますね」

   しかし、山田教授は「もちろんハザードマップを公開しています。それを市民が本気になって学ばないと。危機を予測する人間力、自分ですよ。いつも行政が早くやれという議論ばかりしている」と反論する。気象庁による警報など情報の出し方にも問題があると山田教授は言う。「警報は役所言葉で、普通の人が聞いても切迫感を感じません。役所言葉だけではダメですね」

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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