「人食いバクテリア」の患者が過去最多になっている。「8月27日(2015年)現在で291人、すでに去年の数字を超えています」(関根太朗アナ)。正式には劇症型溶血性レンサ球菌感染症といい、致死率は3割と高く、感染すると患部が1~2日で黒く広がり、処置を怠れば手や足が壊疽して切断、意識障害や多臓器不全になって死亡する。
東京女子医科大学感染症科の菊池賢教授はこう警告する。「とにかく進行が速いんです。朝は足の甲だけだったが、午後には膝下まで腫れて、呼吸器や他の臓器まであっと言う間に不全になります。1~2日で死亡される方も多い。しかも、どんな場所でもすべての人が罹りやすいので怖ろしい病気です」
あっという間に全身に広がり1~2日で死亡
4年前に発症した女性Aさんはこう話す。「早朝に寒気がして目が覚めたとき、熱が38度ありました、ウトウトして15分後に膝や足に激痛が走って、立ち上がれなくなりました。救急車で搬送される時には血圧が上が69、下が22まで落ちていました。肺も空気を取りこめないでヒュルヒュルいうし、血便、血尿でとにかく怖かったです」
この菌は子供の扁桃腺炎やとびひの時はそれほど怖くないが、「傷口から血液に通じるのが一番の悪化の原因になるみたいですよね。腫れが出たら仕事は二の次で、まず病院に駆け込んだ方がいい。なぜ重症化するかというメカニズムも解明されていないので、早い処置だけが命を救う手立てだからね」(キャスターの柳沢秀夫解説委員)
関根アナが念を押した。「腫れの急激な広がり、痛み、発熱、ふるえが出たら集中治療室がある病院に駆け込んでください。感染を防ぐには傷口を露呈しないこと。『靴擦れ』『水虫』『深爪』などの傷は絆創膏など貼って下さい」
高齢者、出産直後の女性、糖尿病患者などはかかりやすいという。
(磯G)