2020年の東京五輪・パラリンピックの主会場になる新国立競技場の総工費が当初の約2倍の2520億円に膨れ上がることがわかった。完成時期はラグビーW杯開幕に間に合うよう2019年5月だ。きのう29日(2015年6月)、下村博文文部科学相が発表した。
捕らぬ狸の「東京都500億円」「スポーツくじ」「市民の寄付」「命名権販売」
新国立競技場建設をめぐっては二転三転してきた。2012年に公募によりデザインが決定、巨大な2本のアーチが特徴で総工費見込みは1300億円だった。ところが、翌13年に日本スポーツ振興センターが改めて試算すると3000億円とわかった。そこで規模を縮小し、資材も見直して去年14年、1625億円に縮小された。
さらに、開閉式の屋根を大会後に先送りし、可動式の座席1万5000席を仮説の椅子にするなど急きょ変更したが、資材費や人件費などの高騰があり、結局は2520億円となったというわけだ。これには追加される開閉式の屋根の建設費は含まれていない。
財源について、下村大臣は「東京都に500億円の負担を求めるほか、スポーツ振興くじの収益の増額、競技場の命名権販売や市民からの寄付などを考えている」と話している。だが、舛添要一都知事は「都民が納得しなければ」といっており、命名権販売や寄付がどの程度集められるのかも心許ない話だ。
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト