このドラマの原案になった「妄想彼女―頭の中で作りあげた僕の恋人」の作者・地主圭亮が「アウト・デラックス」にアウトな人として出演した際にこう語っていた。
「草食男子が高じてとうとうこんなおかしなことをする男が現れたかと半ば呆れ気味に見ながらも、別に誰かの邪魔をするわけじゃなし、当のご本人はモテない自分をちゃんと客観視したうえで、心底、妄想彼女とのデートを楽しんでいるようだし、これはこれでありだなと思った」
女性用ウィッグとマニキュアをほどこした指で、あたかも彼女と過ごしているかのように見える写真を、自宅だけでなく街角や電車の中で撮影し、SNSにアップすることを「ひとりデート」といい、作者はその先駆者だとか(そりゃそうだ、こんなこと誰も考えつかないって)。
書店でちらっとその本を手にとってみたが、自作自演で「あーん」と食べさせる写真などなかなかの気持ち悪さで、帯に「世界でもっとも気持ち悪い男ランキング第1位」とあるのも納得だった。
妄想彼女・広瀬アンリは何者か?正体解き明かし楽しみ
で、ドラマだが、Webライターの高島圭佑を演じているのが浅利陽介で、彼の前に現れ、彼がSNSに書いたとおりの行動をする妄想彼女・はるを広瀬アリスが演じている。ただ、浅利陽介だとカッコ良すぎて非モテ男子に見えない。濱田岳あたりがやればなるほど納得なのになあ。非モテ男子の哀れさ、可笑しみが半減してしまうのがもったいない。
さすがにリアル非モテ男子だと、女子に気持ち悪がられて見てもらえなくなるってことで、こんなかたちになったのか。まあ、原作とドラマは違うと割り切って見ればそれはそれでありだ。
広瀬アリスは売り出し中の広瀬すずの姉で、アリスほうがデビューは早かったが、最近は妹ばかりが注目されているので、このドラマで勢いをつけたいところ。サプライズゲストですずが出てくれば視聴率アップも間違いなし。
妄想彼女の正体の謎が明かされるまでとりあえずは見続けるつもり。前作の「She」もよかったし、フジテレビ系のドラマ枠の中では、この土曜11時ドラマが唯一攻めていて面白い。(土曜よる11時~)
くろうさぎ