「きょうはいま話題のドローンのお話です」と司会の夏目三久がいうと、スタジオのドローンがふわりと浮き上がった。リポーターの高野萌が広い公園に立って、「近い将来この空が変わるかもしれません」という。
六本木には「空飛ぶ靴屋さん」がお目見えした。クロックス「空中ストア」というイベントで、タッチパネルで製品を選んでボタンを押すとドローンが飛び立って、高い棚の上にある靴を運んできてくれる。主催者は「今後、エンタメやビジネスでおおいに活用されると思う」という。
農薬散布(千葉)、パネル警備(茨木)、離島に医療品(香川)・・・
ドローンとは雄のミツバチのことだ。プロペラの音が羽音に似ているからというが、本当か。アフガニスタンや中東で空爆している無人機もドローンで、あれはジェット機だ。羽音には聞こえない。
それはともかく、ドローンはすでに幅広く使われていた。おそらく一番多いのは動画の撮影だろう。昨年(2014年)12月に桜島の噴火口付近を飛んで、見 事に噴煙を間近で捉えた。千葉では水田の農薬散布に使われていた。茨城の太陽光パネルの警備をしている会社は警備・点検に使う。人力だと半日から1日かかるのを、ドローンは7~10分でできるという。また、炎天下の作業はしんどいが、ドローンは文句をいわない。今後も増やしていくという。
香川・高松市では8キロ離れた島まで救急セットを送るテストが行われていた。高度50メートルでGPSを利用しながら海上を飛び、約20分後に設定通りのコースで無事に島に着いた。島の人たちは大喜びだ。瀬戸内には定期船のない島も多い。いざというときの強い味方になりうる。
ロシアではドローンがピザを配達していた。空中から投下するのがまた面白いのだが、違法だということで目下は飛行禁止。これはどこでも同じだろう。人口密集地でやみくもにやられては危険きわまりない。街で聞いてみると、「住所とか個人情報がもれちゃうのは嫌」「犯罪に使われるかも」と心配する声もある。
フランスでは大統領官邸や原子力発電所の上空で不審なドローンが目撃され、警察が捜索を始めている。公園でドローンを飛ばしたアル・ジャジーラテレビの記者3人が逮捕されたり、ドローンを捕まえるドローンまで登場している。