神奈川県・川崎市の中学1年生、上村遼太君(13)は地元の不良グループになぶり殺しにされたが、周囲は異変に気づいていたのになぜ助けられなかったのか。
同級生らによると、上村君は昨年11月(2014年)ごろから年上の高校生グループと付き合いだしたらしい。12月には顔のあざを作っていた。今年に入ると学校を欠席するようになり、上村君の自宅付近にバイクがたむろし始めた。事件6日前には「やばいかもしれない。殺されるかもしれない」と友人にメッセージを送信している。
4日前には、顔や足、おなかなど全身があざだらけになっているのを目撃されている。この男子生徒は「ぶつけたあざだと言っていました。(ほかの学校の生徒たちに)連れ回されて、殴られていると聞きました。場所は大師公園」「顔全部がはれていた。前を素通りされたとき、8人がいっしょにいた」という。
高校生グループと一緒にいるところを川崎駅前でよく見かけられていた。取材した所太郎リポーターは「大勢の人が気づいていたことははっきりしています。状況の変化は見てとれたはずです」という。
「どうしようもなかったではなく、どうしようもあった事件です」
川崎市教育委員会が公表した資料では、担任教師はこれまで上村君宅を5回訪問し、母親や本人の携帯電話に30回かけていた。しかし、上村君と話ができたのは4日前に1回だけだった。「テストがあるから学校に来ないか」「そろそろ行こうかな」というやり取りだった。
司会の羽鳥慎一「サインは見えていたということですね」
夜回り先生として知られた水谷修さんは「学校に来なくなった時点で防がなければならなかった事件です」と指摘する。「同級生たちは状況を知っていたのだから、教員もちゃんと聞かなければ・・・。生徒たちに居場所を聞いて、行けばいいだけ。上村君は狭い範囲で動いているのだから、いくらでも会えます。教師は授業だけでいいわけではないし、文科省や教育委員会も何も指示していません」
赤江珠緒キャスター「加害者側の学校の教員もいたはずですよね」
水谷さん「(加害者少年たちの)親に対する教育も教員の仕事です。拒否されたら児童相談所に伝えるべきです。どうしようもなかったではなく、どうしようもあった事件です」
羽鳥「(教委は)言いわけのために資料を出してきた気がしますね。この地域だけではなく、国内全体の問題です」
警察は年上の少年グループをきょうにも任意で事情聴取する方針だ。