2018年の冬季五輪は韓国・平昌で開催されることになっているが、開会式場や競技場の準備が大幅に遅れ独自開催に黄信号が灯った。きっかけはIOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長の次の発言だ。「2018年、2020年の五輪を行う韓国と日本、費用削減と競技場活用のため一部種目を分散開催する場合もある」
ボブスレーやスケルトンを長野で競技
韓国国内でこの発言が物議を醸しているが、問題は韓国側にある。建設費用の捻出に困ってか、開会式会場の建設予定地は更地のまま、今年(2014年)2月の時点で設計すらできておらず、スピードスケート競技場が2年遅れで今年10月ようやく工事が開始されるなど大幅に遅れている。そこで浮上しているのが、冬季五輪種目の一部、とくにボブスレーやスケルトンを長野五輪(1998年)で使われた施設で実施してはどうかというアイデアだ。
韓国国内では「日本と共同開催 絶対反対」「国際的に恥だよね」「東京五輪を韓国で開催するなら考えられる」と反発する声が噴出している。東京は東京で、街の声は「(準備が間に合わなくて)尻拭いさせられたんじゃ合わないわよね」
IOC臨時総会「分散開催の五輪改革案」
韓国特派員の経験がある元共同通信記者の青木理は「韓国のメディアを見ていると、地元は五輪誘致で地元の活性化を進めたいと思っているが、政府はカネを掛けないでやりたいと、予算の問題で対立して準備が進まないようですね。韓国もプライドがあるし、初の冬季五輪なので、おそらくきちっとやるでしょう」という。
ただ、8日(現地時間2014年12月)からモナコで開かれるIOC臨時総会で五輪改革案が討議され、結果によっては国外開催の可能性もありうるという。