一攫20億円!密漁サンゴ「洋上闇ルート」台湾業者が買い取り中国富裕層が購入

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   赤サンゴを狙って小笠原諸島周辺に押し寄せる中国船団の密漁が続いている。海上保安庁によると、12日(2014年11月)にも117隻が確認されている。日中首脳会談で安倍首相が「前向きな対応」を求め、中国側は「必要な措置は取っている」と答えているが、実効ある措置が取られているかは疑わしい。「このままでは貴重な宝石サンゴがすべて採り尽くされるという最悪のシナリオに向かう」と危惧する声も出ている。

   「クローズアップ現代」は密漁グループに接触し、摘発を免れ違法操業を続ける闇グループの実態に迫った。浮かび上がってきたのは密漁船→台湾のサンゴ加工業者→中国の富裕層という闇取引のルートだった。

中国海上警察も手を焼く「漁船登録番号」偽装

   1年でわずか0.3ミリほどしか成長しない赤サンゴは宝石サンゴとも呼ばれ、この5年で価格が4.5倍に跳ね上がった。生息しているのは水深200メートルほどの海底で、小笠原諸島周辺は世界でも数少ない生息海域の一つになっている。乱獲を防ぐため、日本の漁船でも許可が必要で、小笠原諸島周辺で許可を得て操業できる漁船は5~10トン程度の小型漁船でわずか4隻だけだ。

   そこへ100隻を超える中国の大型密漁船が現れたのは9月だった。一時は200隻を超えたが、日中首脳会談の開催とともに半数が姿を消した。まだ居残っている100隻強の密漁船は一攫千金を手にするまで諦めない連中なのだろう。報道のカメラが100トンを超える中国旗を掲げた密漁船を撮影しても、甲板の乗組員はタバコを吸って動じる様子もない。ぬけぬけと網を入れて操業を続ける密漁船すらいた。

   登録番号から福建省の所属港を割り出し、訪れてみると密漁船と酷似した船が何隻も停泊し、甲板にはサンゴ漁に使う網やおもりが置いてある。密漁船団を取りまとめているという会社を突き止め、従業員に直撃したところ、こんな答えが返ってきた。

「自分たちが行っているのは日本の海。サンゴがあるならどこにでも行くよ。密漁している船は数えきれない。海上警察の目が光っていて、追い出されることもある。みんなは違法だと知っているが、こっそりサンゴを採るようにしている。運が良ければものすごい稼ぎになる。1回の漁で20億円ぐらい稼いだグループもある。5人だったからひとり4億円の儲けだ」

   密漁したサンゴは中国政府の監視をかいくぐって闇市場で売りさばいているというが、悪びれもせず堂々と話すのには驚く。おそらく、取り締まり当局へのワイロが効いているのだろう。

   もう一つの密漁船基地とみられる浙江省の漁港を取材すると、密漁船の実態と闇ルートの一端も見えてきた。船の登録番号からある会社を突き止め訪ねると、「船の番号はうちのだけど、うちの船じゃない」という。この会社は自社の魚船の位置をGPSで管理しており、「番号の船は中国沖で操業しており、勝手に番号を使われた」と話す。

「どうしても金が欲しい人がサンゴの密漁に手を染めるんだ。アヘンと同じ。漁業免許や登録番号がなくてもよそで手に入る。ちょっとした犯罪の感覚だよ」

   この証言通り、「写船号」という偽装を請け負う業者の看板が港のいたるところにあった。

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