<これで簡単!減塩の『新常識』>東京大学の佐々木敏教授が800人を対象に塩分の摂取量を調査をしたところ、1日に男性14.0グラム、女性11.8グラムで、いずれも厚生労働省の目標を上回っていた。塩分控えめを心掛けている家庭が多いのになぜなのか。加工食品にかなりの量の塩分が含まれているからだ。1日の摂取量の約4割が加工食品からだった。加工食品の塩分を抜く調理を考えた。
冷凍ハンバーグ、ちくわ、かまぼこにも応用
100グラムあたりの塩分は、ベーコン2.0グラム、生ハム5.6グラム、かまぼこ2.5グラム、うどん2.5グラム、食パン1.3グラムだ。外食メニューではきつねうどん5.3グラム、握り寿司5.0グラム、カレーライス3.3グラム、天丼4.1グラムが入っている。
こうした加工食品から「塩抜き」をしないと塩分は減らせないということである。国立循環器病センター(大阪・吹田市)の料理師長の武田博幸さんが味を落とさずに塩抜きをすることをアドバイスする。「湯抜きです。ハムは細く切って倍の量の沸騰したお湯に入れます。1分で火を止めてザルに上げ、水を通してハムを引き締めます。塩分は抜けて食感もプリプリしたものに保てます」
計測すると、ハムの塩分は0.0523%だが、湯抜き後は0.0143%と7割も減っていた。
「ウインナーソーセージは1本を4等分に斜め切りして、水から茹でます。沸騰したら火を止めて10分、ザルに開けてもう1度同じ作業をします。これで皮の中の肉の塩分が3割は減ります。同じ要領で冷凍ハンバーグも4割の減塩に成功しました」
かまぼこやちくわにもこの湯を使った「塩抜き」は応用できそうだ。
(磯G)