さすがフジテレビの開局55周年記念ドラマ、力が入っている。出演者たちもそれぞれ主役を張れるような面々が何人もそろっていて豪華だ。それもそのはず、あの「北の国から」のディレクター・杉田成道が「これは志のドラマだから協力してほしい」と俳優に呼びかけ、それに応じて集まったのだそうだ(公式サイトによる)。キャスティングからして熱いのである。
昭和の臭いプンプンの5人兄妹...濃厚な人間関係悪くない
東京の下町に住む佐藤家。両親は早くに亡くなり、兄妹5人で暮らしている。1966年に放送された「若者たち」のリメークというかオマージュなので、家族構成は同じである。ただ、この年齢で5人兄弟も当時は珍しくなかったが、今ではめったに見かけない。たった1世代の間に激しく進んだ少子化を実感する。
「君の行く道ははてしなく遠い...」という主題歌は歌い継がれているので耳に残っている。好みの問題ではあるが、森山直太朗バージョンには違和感がある。裏声やコブシなどの技巧を使わず真っ直ぐな歌い方の方がドラマの内容に合っているのではないか。
長男・旭(妻夫木聡)、次男・暁(瑛太)、三男・陽(柄本佑)、四男・旦(野村周平)は何かと言えばすぐ殴りあう。文字通り力の入り方はハンパなく、いやあ、これは疲れるわ。俳優さんたち、たいへんだなあ。口げんかばかりしているので、セリフの方も力いっぱいしゃべるシーンが多い。