シリアの反政府武装組織「イスラム国」に拘束された千葉市在住の湯川遥菜さん(42)は、民間軍事会社代表と称していて、シリア入国は今年2回目だった。4月に入国したときに、湯川さんが撮影した映像が動画サイト「ユーチューブ」に投稿されていた。車の助手席で「シリアでは空爆が続いています。現在、私のガードが用事で車から降りています。この間に、敵から攻撃された時のために、護身用としてこの銃を持っています」と自動小銃を見せたりしていた。
拘束の武装勢力と敵対「自由シリア軍」では同志扱い
この映像の後、湯川さんは「イスラム国」と敵対している反政府武装組織「自由シリア軍」に拘束される。この時、シリアで取材をしていたフリージャーナリストの後藤健二氏が湯川さんと会った。後藤氏は「現地の自由シリア軍指揮官は、湯川さんが何のために何をしにシリアへ来たのかをとても知りたがっていました」と話す。後藤氏が自由シリア軍指揮官を説得して湯川さんは解放されたが、帰国せず現地に留まり、自由シリア軍と交流を深め同志として受け入れられたという。
後藤「この時、ビジネスではなく、自分が受け入れられるという喜びを感じたのかもしれません。彼にはアブ・ムジャハッドというニックネームがつけられました」
民間軍事会社立ち上げ「シリアはビジネスチャンスだ」
湯浅さんが立ち上げた民間軍事会社の顧問である木本信男氏はこう語る。「会社の業務は、治安が不安定な地域で邦人の警備などを行うことです。彼には自衛隊や軍隊での経験はありません。日本発の民間軍事企業を育てたい、シリアに行くことは大きなビジネスチャンスになるとも話していました」
後藤氏は「今回の問題解決が難しくなった要素としては、彼が銃を持っていたこと、イスラム国兵士の尋問にアメリカという言葉を口走ったことです。これで相手はアメリカのCIAか、あるいはスパイだろうと思い込んだ可能性が高い」と危惧する。
司会の小倉智昭「いまシリアは最も危険とされており、日本は外交的に難しい問題を抱えてしまった」