オランダ・アムステルダムを離陸し、マレーシアのクアラルンプールを目指していたマレーシア航空機MH17が、親ロシア派の勢力圏であるウクライナ東部上空で地対空ミサイル「BUK(ブク)」によって撃墜され、乗客283人と乗員15人が全員死亡した。現時点では新ロシア派が誤って撃ち落としたということのようだが、戦争の悲劇という言葉ですますことのできない蛮行である。
『週刊新潮』のモノクログラビアに「Magnum Photos」の現場写真が載っている。絶対にテレビや新聞では見ることができない生々しい遺体も写っているが、百聞は一見にしかず、安倍首相にも見せたい人間の愚かさを余すところなく映し出した必見の1枚である。
日韓関係ギクシャクで意図的に消している「韓国色」
ところで、私は使ってないのでよくは知らないが、無料メッセンジャーアプリLINEの利用者は世界で4億8000万人になるそうだ。週刊文春によると、このたび東京証券取引所に上場申請して時価総額は1兆円にもなるといわれているようだが、その親会社は韓国のネット検索最大手のNAVERだという。LINEを使っている人には常識なのかもしれないが、私は寡聞にして知らなかった。
だが、韓国企業でもいいものはいいので、どうということはないと思うのだが、週刊文春はそこにこだわっているようだ。<「現在、LINEの取締役五名のうち三名がNAVERの韓国人幹部で占められ、非常勤取締役としてNAVERの創業者がCFOが名前を連ねます。(中略)社内ではハングルが飛び交っている。しかしマスコミのインタビューに応じるのは、森川亮社長(47)など日本人幹部のみで、韓国人幹部が登場することはまずない。意図的に韓国色を消そうとしてきました」(経済ジャーナリスト)>
純国産、和製アプリという枕詞で語られてきたそうだが、実際はLINEアプリは慎ジュンホ・現CGOが中心になってつくり、人気のクマやウサギのスタンプも韓国人社員がデザインしているそうだ。なぜそうするのかといえば、日韓関係の悪化している中で韓国企業とわかれば、日本のユーザー離れが進むことを怖れてのことだと週刊文春は推測している。
週刊文春は韓国へ飛び、LINEの評判があまりよくないと書き連ねているが、これは省略。この記事を読んで思うのは、最近話題になっているLINEまで純日本産ではないという一抹の寂しさである。よくいわれるように、かつてのSONYはユニークな物作りで世界を席巻した。だが、その根本の思想が失われ、外国の物真似ばかりでカネを儲けてきた。
これを変えるにはいまの教育システムをガラッと変える以外に道はないはずだが、企業側からそうした声は出てこない。このままでは韓国や台湾企業の下請けに日本がなる日がやってくるに違いない。