「あれえ、ミスターはまだ受賞していなかったの」と思った人も多かったに違いない。去年(2013)春、安倍内閣は長嶋茂雄・元巨人軍監督と松井秀喜・元巨人軍選手に「国民栄誉賞」を授与することを決めた。長島の受賞は遅すぎたくらいだが、松井とダブルというのにワイドショーは違和感を持った。
<国民栄誉賞「長嶋は納得。松井なぜ?」だったらもっと他にいるだろう!街の声>(テレビ朝日系「モーニングバード!」)、<「国民栄誉賞W受賞」エッ!長嶋さんがオマケ?安倍首相「松井にあげたい」>(TBS系「朝ズバッ!」)と長嶋の影が薄くなったことに不満げだった。
長島は戦後日本のスーパースターだが、突出した記録を残しているわけではない。授与要件に欠けるということだったのだが、日米でMVPとなった松井を育てたということなら、なんとか理由づけできると考えた政治家がいたということだ。
当時、安倍内閣はとにかく4か月後の参院選挙でねじれ国会を解消しようと、支持率アップにつながりそうな話題になんでも飛びついた。はたして効果はあったのか。<国民栄誉賞に人気取り効果なし!歴代内閣支持率いずれも下がりっぱなし>(フジテレビ系「とくダネ!」)と見立てたが、安倍内閣は目論見通りねじれ解消をはたした。(テレビウォッチ編集部)