博報堂がメディアの今年2月(2014年)の売上高実績を発表したが、累計の前年比で雑誌の伸びがいい。新聞が前年比99.9%、テレビが101.0%なのに、雑誌は104.1%。4.1%も増えているのは女性誌が好調なのであろう。雑誌広告に関してはずっと低迷してきたが、わずかだが光明が見えてきたのかもしれない。
正社員の半分近くが入社3年で辞めていく「ファーストリテイリング」
『朝日新聞』(3月20日付朝刊)が「ファーストリテイリングが、国内のユニクロ店舗で働くパートらの半分強にあたる1万6千人を地域限定で働く正社員にする方針を決めた」と報じている。ブラック企業の代表といわれるユニクロだから、企業イメージを何とかしたいための苦肉の策だろうが、朝日新聞も「どこまで待遇が改善されるかは分からない」としているように、ユニクロのブラックたる由縁は正社員に対する待遇のひどさなのである。
正社員の半分近くが入社3年のうちに辞めているのだ。共産党の調べによると、休職中の4割がうつ病などの精神的な理由だという。先日対談した山下芳生共産党書記局長は私に、ブラック企業の定義は「大量の新卒を正社員として採用し、長時間労働、過大な仕事を与え、長時間労働とパワーハラスメントで短時間のうちに若者の体と心を壊して大量に退職に追い込む。そういうやり方を前提にして利益を上げる企業」をいうのだと語ってくれた。
非正規を切り捨てるのではなく、正規社員をボロ雑巾のように使い捨てるのだから、ユニクロが正社員化を進めれば進めるほど、辞めたり精神的に追い詰められる若者が増えるだけだから、何の解決にもならないと思う。
「週刊朝日」「サンデー毎日」学歴社会批判しといて東大・京大合格ランキングもうやめろ
この時期恒例なのが『週刊朝日』と『サンデー毎日』の「東大・京大 合格者高校ランキング」だが、私はこの手の企画は好きではない。学歴偏重はいけない、東大ばかりが大学ではないと自分のメディアではいっているのに、内心では東大・京大神話を守りたいのは自分たちだと『自白』しているのがこの企画だからである。
そこで買ってみたついでに、東大入学の上位校をこっそり教えちゃおう。1位・開成(東京)、2位・灘(兵庫)、3位・麻布(東京)、4位・駒場東邦(東京)、5位・聖光学院(神奈川)、6位・桜蔭(東京)、7位・栄光学園(神奈川)、8位・東京学芸大附(東京)、9位・渋谷教育学園幕張(千葉)、10位・海城(東京)、11位・ラ・サール(鹿児島)、12位・久留米大附設(福岡)、13位・日比谷(東京)。日比谷を筆頭に、一挙に13人増の岡山朝日、12人増の水戸第一(茨城)など、公立高校が躍進したと大騒ぎしている。
多くのアルバイトを雇い、時間に追われて作る記事とはとうてい思えない。売れるからやっているのであろうが、そろそろやめたがいいと思うのだが。
ついでに、がっかりした記事は『週刊ポスト』の「65歳からのハローワーク」という特集。もう10年ぐらい生きるのならば、何か仕事でも見つけようと思ってさっそく読んでみたが、できる仕事といえば以下のようなものばかりである。タクシー乗務員、マンション管理、介護スタッフ、警備スタッフ、工事現場の誘導員、ゴルフ場の清掃業務、駐輪場の管理、コンビニ店員、学校の警備員、食堂のスタッフ、コールセンター。もちろんこの仕事がいけないというつもりはないが、わざわざ週刊誌で特集を組むほどのものではない。
第2の木嶋佳苗事件か「67歳の京都女性」再婚繰り返し高齢夫次々死去!これまで1億円近い遺産
ベビーシッターの物袋(もって)勇治容疑者(26)が死体遺棄容疑で逮捕されたが、この事件で腹が立つのはこの男だけではない。酷ないい方になるが、ネットで紹介されたほとんど何も知らない男にわが子を預ける母親にも腹が立ってならないのだ。どんな理由があろうとも、最愛の子どものシッターをネットで探して預けるというのは、私には理解ができない。ネットは便利なところもあるが、本質的には怖いものだという認識が決定的に欠けているのだろう。
ところで、週刊誌は新聞やテレビと違って、疑惑段階で追及していくのが一つの役割だと、ここでも何度か書いているが、今週も多くの週刊誌が関西に住む67歳女性の疑惑を報じている。『週刊新潮』によれば、女性は4度の結婚歴があるが、結婚した相手とすべて死別しているというのである。第2の木嶋佳苗事件なのか。
彼女はすでに夫を毒殺した疑いで、京都府警から事情聴取を受けているそうだ。彼女は数十人の報道陣の前でこう語った。<「彼が運ばれて病院で亡くなるまで、そばにいましたけど、その病院で警察に連れていかれて。1週間ずーっと捜査っていうんですか、聴き取りをされて」>
嘘発見器にかけられたりもしたが、絶対にやっていないと訴えている。
彼女の夫は75歳。昨年12月28日(2013年)の夜、自宅から緊急搬送されたそうだ。<「病院到着時にはすでに亡くなっていた状態で、遺体に不審な点があったため、京都府警が血液の簡易検査を行った。すると、青酸化合物が検出され、科警研などで詳細に調査することになりました。府警は老女に任意で事情を聞き、嘘発見器にもかけた。ですが、事件に繋がる証拠が見つからず、一旦、彼女を解放しているのです」(社会部記者)>
結婚生活はわずか2か月。それで彼女曰く、1000万円の遺産を手にするというので、疑惑の目を向けられているのだ。
最初の夫とは24歳で結婚したが47歳の時先立たれ、そのときは負債を負ったそうだ。それから10年後、67歳の男性と結婚するが、男性は2年半ぐらいで死亡する。その際は3000万円近い遺産を受け取っているという。2年後に3度目の結婚。75歳だったが数か月後に他界。噂では5000万円以上の遺産を手にしたといわれる。これを読む限りは第二の木嶋になるような気がするが、どう推移するのか注目である。
政治利用するな!横田滋・早紀江夫妻の思い「生きているうちに一目孫に会いたい」
北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの娘、キム・ウンギョンさん(26)と、めぐみさんの父・滋さん、母・早紀江さんがモンゴルのウランバートルで初対面を果たした。そのニュースを週刊新潮が報じている。
これまでは、娘と会うと北朝鮮側はめぐみは亡くなっているといってくるから、私たちはそれを認めないと、娘たちが本国で処罰を受けるかもしれないから会わないといっていた。しかし滋さんは81歳、早紀江さんも78歳になり、心身ともに衰えがきて、めぐみさんの娘や孫に一目会いたいと思ったのであろう。支援者の一人はこういっている。
<「モンゴルだって6時間ほどかかるわけですが、辛い飛行機移動を我慢してまでも今回は行きたいという気持ちが勝ったということでしょう」>
対面の場には北朝鮮の人間もいたはずである。この光景を見て、自分たちの罪を謝罪し拉致被害者たちを全員返そうとは思わないのだろうか。拉致問題に関しては、北朝鮮憎しの気持ちが私の中にもあることを否定はしないが、日本の中の反北・反韓ムードがこれを機にまた高まっていくのではないかと心配になる。
浦和レッズサポーターの愚挙「JAPANESE ONLY」ターゲットは元日本代表・李忠成選手
やはり週刊新潮が「浦和レッズ『JAPANESE ONLY』の横断幕は誰を標的にしたのか?」というワイドをやっている。週刊新潮によると、浦和レッズには3000ものサポーター集団があるそうだが、スネークという20人ほどのグループに所属している20代の3人だと、さるサポーターが囁いている。
彼らは外国の観光客が来ると応援の統制がとれなくなるからだと弁明したそうだが、某スポーツ紙の記者はこう話している。<「96年以降、韓国人選手が加入していない浦和は『純血』こそが誇り。なので、相手チームの韓国人選手へのブーイングもすごい」>
気になるのは、今季に浦和に加入した在日4世で、2007年に日本に帰化した元日本代表選手・李忠成(28)に対する差別だと、スポーツライターの吉沢康一氏がいう。身内なのにレッズの観客席から李に対してブーイングや差別的なヤジが飛ぶそうだ。こうした「差別を助長する愚挙」(週刊新潮)は即刻止めなければ、日本サッカー界全体の恥である。
古舘伊知郎の覚悟「圧力がかかって番組を切られても本望だ」がんばれ!
3月11日、東日本大震災&原発事故後3年目の日に放送された「報道ステーション」は私はよかったと思う。見てない方もいるだろうから簡単に内容をいうと、福島県で甲状腺検査を受けた子どもは約27万人いるが、そのうちの33人が甲状腺がんと確定している。これまでは年間100万人に1人から2人とされているから、その数字が覆され、因果関係は原発事故による放射能の影響ではないかと疑問を持ちチェルノブイリに行き、甲状腺がんの第一人者にインタビューするいう番組である。
案の定、週刊新潮がこの番組にクレームをつけている。こうした番組作りは視聴者の恐怖や不安を煽るというのである。私は根拠なく放射能は安全だといい募るほうが国民の間に不信感と不安感を増すと思うのだが、週刊新潮はそうではないようである。
番組の中でも触れていたと思うが、これまでこれほど大がかりな甲状腺がんの検査はやられたことがないので、今まで見逃されていた子どもが見つかったため33人という数字になったのだという反論には頷けるところもあるが、東京女子医大の三橋紀夫教授のこの下りは頷けない。
<「放送では、甲状腺がんを摘出した女の子が、年間40ミリシーベルトの環境で部活の練習をしていたと出てきますね。実際は、年間20ミリシーベルトにならぬように避難が行われていますし、仮にその場所に10日間いても被曝線量は僅か1ミリシーベルトです」>
この教授は文科省の垂れ流しているモニタリングポストの数字を何の疑いもなく信じているのだろうか。ここでも何度か取り上げているが、福島に置かれているモニタリングポストの数字が低めに設定されているのは「周知の事実」である。このことをご存じないのか。
また、事故当初、被曝量を予測できるSPEEDIのデータも公表せず、「年間20ミリシーベルトにならぬように避難が行われた」などとどうしていえるのか。番組での古舘伊知郎の言葉まで「勘違いのヒロイズム」と揶揄しているが、週刊新潮の中に載っている古舘の言葉を引用しておこう。「地域を分断してまでも積極的に原発を誘致した、そういう部分があった。徹底的な議論なくして、福島の方々に申し訳が立たない。もし圧力がかかって番組を切られても本望だ」
原発批判を民放でやり続けることの困難さと、政府のいいなりに安全神話をいい続けるのとではどちらが楽か。これもいうまでもなかろう。
ご心配なく!『週刊現代』『週刊ポスト』の「死ぬまでSEX」まだまだ奥義ご開帳
蛇足だが、このところこの欄であまり「死ぬまでSEX」を取り上げないので、『週刊現代』、『週刊ポスト』はこの手の企画を止めたのではないかと「心配」している方もおありかもしれない。心配ご無用。今週も「『頭の悪い』と『頭のいい』SEX」(週刊現代)、「『エロくなる』『上手になる』『感じやすくなる』」(週刊ポスト)と、たっぷりページを使って特集を組んでいる。
どちらも女性を喜ばすために、こんなふうに「クンニをやれ」「舐められたら舐め返せ」と微に入り細を穿ち性の奥義をご開帳している。こういう記事を読んで舌なめずりする老人にだけには、私はなりたくない。