千葉県柏市で3日(2014年3月)深夜に起きた連続殺傷の犯人は、事前に下見をするなど計画的な凶行であることが分かってきた。自転車の乗っていた男性(25)は男に「すいません、ちょっと」と呼び止められ、「お金ですか」というと、男は「そうなんですけど、ちょっと来てください」と刃物を突きつけられ振り払って逃げた。直前に女性が男から声を掛けられ付きまとわれている。
その2分後に近くに住む会社員(31)が襲われ、背中や首を刺され死亡した。路上には数種類のカードが散乱していたが、財布は犯人が持ち去ったのかなかった。そこに車で通りかかった男性(44)は刃物を突きつけられ、「人を1人殺した。金を出せ」と脅されて現金3500円入りの財布を奪われた。つぎに、やはり通りかかった車を奪って逃走、車は現場から1.3キロ離れたコンビの駐車場にエンジンが掛かったまま乗り捨ててあった。防犯カメラの映像には、3日午後11時45分~4日午前0時の間に黒いダウンジャケットの男が映っていた。
元刑事「駅から離れた住宅街の犯行現場。土地勘がある」
事件現場を見た神奈川県警の元刑事・小川泰平氏は、「柏駅から外れた住宅街を犯行現場に選んだのは、犯人がここらに土地勘があるからでしょうね。凶器を準備してきていることから計画してきている」と見ている。
事件から3時間前に、犯人と背格好が似ている男が犯行現場から徒歩10分のところのガソリンスタンドの壁に寄りかかり、通行人を眺める感じで見ていたのを目撃されている。犯人が下見をしていた可能性は高い。男は年齢20~40代、身長170~175センチで中肉。ニット坊をかぶりサングラス、白色のマスクと黒色のジャンパーを着ていた。
金が目的なのか人を殺傷するのが目的なのか、犯人の狙いが今ひとつはっきりしない。小川元刑事は「これまでの通り魔事件とは異なる点があります。通り魔事件は通常は人通りの多い駅とかが多く、最後は取り押さえられて捕まる。しかし、今回は何度も車を奪ったり逃げるのに必死でこれまでと違う」という。
コメンテーターの野村修也弁護士「通り魔事件は殺傷を目的にしている場合が多いですが、この犯人は最初から財布を奪おうとしている傾向があり、通り魔としてまとめてしまっていいのか。むしろ計画的な強盗事件としてしっかり捜査したほうがいい」
いずれにしろ、人を殺傷し金も奪っており、金が主目的なら犯行を重ねる可能性がある。