東京都などの公立図書館で「アンネの日記」をはじめ、ナチス・ドイツのユダヤ人迫害に関する書籍が300冊以上破られた事件では、「(犯人が)どういう心境でやってるのか、理解できない」(羽鳥慎一キャスター)といった声が上がるなか、「専門家」のプロファイリングが登場した。
犯罪心理を研究している越智啓太・法政大学教授によれば、犯人は本を破り取ることで「本を見た人に対して、この本を快く思わない人間がいるというメッセージ」を送っている。つまりは「自分の主張や考え方の表現」だそうである。
インターネットでなくリアルの「図書館」で主張…若者っぽくない手口
犯人が単独か複数かという問題は、これまでスタジオでも議論されてきたが、これについて越智教授は単独犯説を唱える。複数であれば、(数を頼んで)もっと別の主張方法を取りそうなものであるというのだ。
また、個人でも最近はインターネットで自分の主張を思う存分発信できる世の中だ。しかし、図書館というリアルな場で、それも若い人にありがちな思いつきでやった感じとは異なる犯行様態であることから、犯人はネットを使わず、年齢層は高い可能性がある。また関係書籍を勉強している読書家であるかもしれないそうだ。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト