ワタミに1億5300万円賠償請求!過労自殺社員の両親「命すり減らして仕事…」

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています
「体が痛いです。体が辛いです。気持ちが沈みます。早く動けません。どうか助けてください。誰か助けてください」

   こんな心の叫びを手帳に残して、当時26歳の女性が過労自殺した。きのう9日(2013年12月)、両親が女性が勤めていた居酒屋「和民」を経営するワタミフードサービスや親会社のワタミ、ワタミの社長だった渡辺美樹参議院議員らを相手取り、約1億5300万円の損害賠償を求める裁判を東京地裁に起こした。

午後3時から翌朝6時まで働きづめ!休憩時間は30分

   自殺したのは森美菜さんで、入社2か月後の2008年6月に神奈川県横須賀市内で自ら命を絶った。2012年2月、月約140時間の時間外労働があったとして労災認定され、両親はワタミ側と調停を続けてきたが、不成立に終わりきのうの提訴となった。父親は「娘はなぜ死んだのか、答えてほしい」といっている。損害賠償の請求額が1億5300万円と高額になったのは、悪質な過労死を繰り返させないために懲罰的慰謝料を加算したのだという。

   美菜さんは2008年4月、ワタミフードサービスに入社し横須賀市内の店舗に配属された。勤務内容は調理やオーダーの受注、商品の提供などだったが、遺族側の記録によると、仕事は午後3時頃から始まり、週に2、3日は翌日の午前6時ごろまで働いていた。その間、休憩は30分がやっとで、週2日ある休みもボランティア活動や研修への参加が義務付けられており、2か月間で休んだのはわずか4日だった。その休みの間にもレポートの作成や課題に追われていた。

   課題のひとつが理念集の暗記だ。創業者である渡辺が経営理念や仕事に対する姿勢などについて語った言葉をまとめたもので、その中には「わが社には『できないと言わない』という社訓がある」などという一節もある。

小倉智昭キャスター冷淡「みな同じように働いている。個々の資質の問題」

   キャスターの小倉智昭「相当過酷な労働条件下にあったということでしょうけれども、同じような立場で働いていた人も相当数いると思うので、個々の資質の問題もあると思う。その辺を裁判所がどう判断するかということでしょうね」

   コメンテーターの古市憲寿(社会学者、評論家)「ワタミをバッシングしてすむ話ではないと思います。今の日本ではいろんなところで、長時間労働やサービス残業が蔓延しているので、ちゃんとした仕組みを作るきっかけになればいいと思います」

   宋美玄(産婦人科医)「経営者は少ない人件費でどれだけ労働させるかということですよね。小倉さんは個人の資質とおっしゃいましたが、過労はもともと健康な人をウツにしてしまうんですよ。他にもこういう労働環境のところはあるので、象徴的な裁判になると思いますよ」

   渡辺はフェイスブックで「司法の結論が出た時点で、私なりに誠心誠意の対応を致すことを約束します」といっているが、美菜さんの母親は「命まですり減らして24時間働くことが本当に仕事なのか、考えていただきたいという思いがあります」と訴えている。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
姉妹サイト