1万円札に似せた『百万円札』がまた岩手県で使われ、釣り銭8000円あまりが騙し取られた。偽札として作られたのではなく、裏が白紙のメモ帳として製造・販売されているもので、注意して見ればニセ物とすぐ分かる。なぜ騙されるのか…。
商店主「いちいち確認しない。色で1万円札と判断するからね」
このニセの『百万円札』を使った詐欺事件はすでに3件起きている。昨年10月(2012年)に名古屋市内のコンビニで釣り銭9860円が騙し取られたのをはじめ、今年4月(2013年)には高校生2人が両替しようとして発見された。そして、17日(2013年11月)には岩手県盛岡市内のショッピングモールで使われた。
『百万円札』を本物の1万円札と比べると、10000が1000000、壱万円が百万円、日本銀行が贅沢銀行、福沢諭吉が贅沢諭吉、その贅沢諭吉の口元が笑っていて、目尻が下がってシマリのない顔になっている。偽であることは一目瞭然だ」。ところが、街の複数の商店主が騙されてしまう。実際に百万円札を出して「これなんですか?」と聞くと、ほとんどが「1万円」と答えたのだ。
「色で見るからね。忙しいときにやられると分からない」(そば店)
「よく見ると数字が違うけど、ちょっと見ただけでは分からない」(中華料理店)
製造元ショボン「メモ用紙としてつくった冗談商品ですが、もうやめます」
弁護士は裏が白紙なので偽札ではないが、硬貨や紙幣と紛らわしい外観のものの製造・販売を禁止した『通貨および証券模造取締法』(1か月以上3年以下の懲役)に抵触する可能性があると指摘する。製造元はジョークで作ったのだが、「もう売るのはやめます」としょげている。ただ、仕入先の商店が販売するものについては店側に判断を任せるという。
司会の小倉智昭「にわかには分かんないものなんですねえ」
偽札に厳しい日本ではお札が信頼され、色を見ただけで本物と判断してしまうのだろう。中国ではホテルや博物館などしっかりしたところほど偽札判別機を備えていて、コーヒー1杯飲むのもいちいちチェックされる。『百万円札』を使った犯人については警察が詐欺容疑で捜査している。