藤圭子がニューヨークで待っていた作家・沢木耕太郎!引退インタビューきっかけに接近

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   宇多田ヒカル父親説まで出た2人の関係「確かに彼女は僕に好意を抱いていたし、僕も好意を抱いていた」

   『噂の真相』という雑誌が廃刊になって一番残念なのは、小説家を含めた物書きたちのスキャンダル情報が読めないことである。東野圭吾や宮部みゆき、百田尚樹の近況も醜聞(ないのかもしれないが)も知ることがほとんどできなくなってしまった。だから、今週の『アサヒ芸能』の「深層スクープ 藤圭子と沢木耕太郎『愛欲真実』」は珍しい特集である。巻頭にもってくるほどのスクープなのかは疑問だが、思わず手にとって読んでみた。

   きっかけは沢木氏が33年前に藤をインタビューしたときのことをまとめた『流星ひとつ』(新潮社)が緊急出版されたことである。インタビューしたのは1979年。藤圭子28歳、沢木耕太郎31歳。芸能界引退を発表した直後だった。これまで『封印』してきた理由を、沢木氏は「後記」でこう書いている。

<藤圭子も芸能界に戻って、歌うようにならないとも限らない。そのとき、この「インタヴュー」が枷にならないだろうか。自分で自分にブレーキをかけてしまうことになるかもしれないし、実際に「復帰」したらしたで、マスコミに「あれほどまでに決意を語っていたのに」と非難されたり嗤われたりするということがあるかもしれない。(中略)引退する藤圭子を利用しただけではないのか>

   自問自答の末、刊行を断念したという。

   だが、そのインタビューをきっかけに2人は親しくなり、深い仲なのではないかという噂が当時あったらしい。今回、引退した藤がニューヨークで暮らしていたとき、彼女と3か月一緒に暮らしていたというライターの田家正子さんがこう話している。

<「私が『なぜ、ニューヨークに来たの?』と彼女に尋ねると、『実は、沢木耕太郎を待っています』と、答えたんです。(中略)
 沢木さんが彼女について書いた、300枚くらいのインタビュー原稿を大事に持っていたのを覚えています。当時連載していた新聞の連載が終わったら『コロンビア大学のジャーナリズム科に通う予定だった』そうで、このアパートで一緒に暮らすために待ち続けていたようです」>

   だが、沢木氏が藤の前に現れることはなかったそうだ。1999年に藤の娘・宇多田ヒカルがブレイクしたとき、噂の真相に「沢木耕太郎が宇多田ヒカルの本当の父親だったのか」という記事が掲載された。そこで沢木氏はこう答えている。<「(中略)ただ、取材のプロセスで確かに彼女は僕に好意を抱いていたし、僕も好意を抱いていた。これは間違いありません」>

   真偽のほどは定かではないが、この儚く終わった恋物語は、藤圭子という歌手をさらに輝かせるいいエピソードだと思う。

「小泉元首相は訪朝時に1兆円の支援約束」脱北した元対南工作員が証言

   『週刊文春』は小泉純一郎総理(当時)が訪朝した2002年の日朝首脳会談で、北朝鮮の要求に従って1兆円の支援をしていたという張真晟(チャン・ジンソン)氏の証言を取り上げている。

<「拉致被害者の横田めぐみさんは二〇〇三年に生きていた可能性がある」「故金正日総書記は二〇〇二年の日朝首脳会談で、日本が提案した一一四億ドル(当時のレートで約一兆四千億円)の支援がほしくて、独断で拉致を認めて謝罪した」
 こんな衝撃的な内容が書かれた本が出版された。タイトルは「金王朝『御用詩人』の告白ーーわが謀略の日々」(文藝春秋)。
 著者は北朝鮮の対南工作機関である「統一戦線事業部(統戦部)」に体制宣伝の詩人として勤務し、その後脱北した張真晟氏だ>(週刊文春)

   張氏は首脳会談後に北朝鮮外務省が作成した参考資料に目を通したという。<張氏は、記憶をたどって、この参考資料の内容を、著書の中で再現している。
 それによれば、北朝鮮側は日本による植民地支配の賠償金として四〇〇億ドルを提示したが、日本側から「日本が建設した発電所や製鉄所、鉄道などの使用料を払え」と逆襲される。
 北朝鮮側は、外貨による現金支援を求めるが、日本側は、「独裁国家の支援には、北朝鮮の核開発への支援とみなされ、米国は検証を求めて介入してくる」と、北朝鮮側が最も嫌がるポイントを突いてきた。
 最終的には日本政府から一一四億ドルの物的支援を受けることで何とか合意した。政府開発援助(ODA)式支援と推定される>

   首脳会談の午前の会議が終了し、休憩時間中に北朝鮮側が拉致に対する公開謝罪を拒否したため、小泉代表団の中から「帰ろう」という声が上がり、金正日総書記があわてて独断で謝罪することを決めたのだという。

   114億ドルという数字については、当然ながら、そんな数字を提示してはいないと当時の関係者たちは揃って否定している。<しかし張氏は、「北朝鮮の政権中枢にいた私以外の脱北者も、この数字を聞いていた>と自信をみせた。また、日本政府の拉致問題担当者の中にも、「その数字を聞いたことがある」という複数の証言があり、信憑性は高い>(週刊文春)

   金正日総書記の謝罪と拉致被害者の帰国がカネで買われていたとすれば、小泉元総理は国民に経緯を説明する義務がある。だが、ODA式支援だとすれば、どうやってそのカネを捻出したのだろうか。1兆円以上のカネの出を完全に秘密にしておくことなどできるはずないと思うのだが。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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