歌舞伎俳優の中村吉右衛門(69)は10日(2013年10月)、味覚障害を発症して味がまったくわからないと明かした。8月に喉にヘルペスを発症し、一時はつばも飲み込めないほどの痛みで、食事もできず、「こんな苦しい思いをするなら、このまま逝かせてくれって思った」ほどだったという。
現在はヘルペスは完治したが、味がわからなくなる味覚障害が残った。なんとか「甘み」だけは感じられる状態で、しるこや嫌いだったオートミール、茶わん蒸し、オムライスの食事だという。原因は不明で「疲れとか精神的なものらしい」という。
吉右衛門は池波正太郎原作のテレビドラマ「鬼平犯科帳」の火付盗賊改方・鬼平こと長谷川平蔵が当たり役で、鬼平はしゃも鍋や蕎麦など美味いものに目がなく、ドラマでは健啖ぶりが売り物の一つになっている。その鬼平が味覚障害ではシャレにならない。これといった治療法はないのだそうだが、吉右衛門も「うなぎ、蕎麦、てんぷらがいつ食べられるか。好物のうなぎを食べてまずかったら生きる希望がなくなっちゃう」と話している。(テレビウォッチ編集部)