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自民党政権お抱え関学大教授「セクハラ」「研究補助金ネコババ」「女子学生に妊娠・中絶」

   週刊文春は関西学院大学経済学部の看板教授、林宜嗣教授(62)のスキャンダルを報じている。林氏は日本財政学会で長年理事を務め、政府税制調査会や国土審議会、地方制度調査会で委員や委員長を歴任した政府ブレーンだ。関学大では2001年から経済学部長を2期務めている。地方分権の論客としても知られ、麻生太郎政権時代の09年には、全国の市町村が大統合された「平成の大合併」について答申を提出している。甘いマスクで高級ブランドスーツを着こなし、阪神間の高級住宅地に豪邸を構え、高級車を乗り回すセレブとしても知られているという。

   彼を告発するのは2001年から林ゼミに入った女性Aさん。彼女は林教授から執拗なアプローチをされたと、こう語っている。<「私は林教授から、頻繁に食事に誘われました。他の院生と同席するときにしかご一緒しませんでした。また、ゼミが終わるとみんなの前で『Aさん、車で送ってあげるよ』と何十回も誘われ、断る理由にも困るほどでした。(中略)

   ところがある時、同期のBさんという女性から『先生は肉体関係を持てば特別に指導してくれる人なのよ』と言われました。 Bさんには教授からのメールを見せられたこともあり、その年の夏頃から教授と交際している様子がわかりました」>

   学生対するハラスメントだけではなく、林教授には国庫から支給される科学研究費補助金(科研費)の不正受給疑惑もあるというのだ。科研費は文科省から年間数百万円支給されるが、年度内に使い切らないと翌年から減らされてしまうというのだ。そこで彼女たちに科研費を振り込んで消化したことにして、実際はキックバックさせていたという。

   その他にも、リサーチ・アシスタント(RA)の報酬をキックバックするようメールで指示され、計60万円を手渡したといっている。こうした手法で林教授がゼミ生から集めたキックバックは明らかに不正受給になるはずだとAさんは指摘している。

   Aさんの告発を受け、関西大は今年1月に調査委員会を設置し、関係者の聴取を開始した。そして、科研費などの不正受給ついては指示のメールや通帳など証拠が十分にあったためか、調査委は事実と認定したそうである。しかし、林教授に対しては何の処分も行われていないという。

   学生に対するハラスメントについては、まるでAさんの被害妄想であるかのように、林教授の行為をハラスメントとは評価できないと一蹴したという。彼女の告発と別に、林教授には妊娠中絶疑惑もあるという。林ゼミに在籍したCさんという女性と不倫し、妊娠させてしまったというものだ。Cさんは堕胎をし、その精神的ショックから大学院をやめ、研究者になる夢を閉ざされてしまったという。

   しかも、林教授は中絶費用も公金から捻出したというのである。Cさんに極めて近い人物がこう語る。<「その年、日本財政学会が関学で開催されたのですが、その経費から引き出して中絶費用に当てるよう、Cに指示したんです」>

   これらが事実であれば、教授にあるまじき行為となるが、林教授はどう答えるのか。科研費不正受給については「私は関与していない」。教授の知らないうちに院生たちが勝手に判断してキックバックをしたのか? 「その通りなんですが、これはまだ結論の出ていない微妙な問題ですから、これ以上はお話しできない」。Cさんとの関係についてはどうなのか? 「Cさんが辞めたことに、私を挟んだ関係があったことは間違いないですが、肉体関係などありません。全くの事実無根です」

   関学大の井上琢智学長も「全く問題ないという結論が出ました」といっているが、大学のある関係者がこう憤っている。<「ハラスメントの調査委員長を務めたのはつい最近、酒気帯び運転で現行犯逮捕された対馬路人副学長です。そんな人物が指揮をとった調査をそもそも信用していいものか」>

   国費を不正受給しただけでも大学教授としてはアウトだと思うのだが、身内には甘いのが象牙の塔の習わしのようである。関学大の学生よ、真実を突き止めるために立ち上がれ!

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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