弁明の記者会見の最中に新たなトラブル発生の連絡が入る。慌てて社内メールをチェックするJR北海道の豊田誠鉄道事業本部長―。まさに異様な事態だが、JR北海道のお粗末すぎる現状を物語っていた。レール異常の放置は19日(2013年)に起きた貨物列車の脱線事故をきっかけに次々と明るみに出た。21日には9か所、22日には88か所、けさ25日未明には新たに170か所が加わり、全道で270か所だ。
コスト削減・人員削減のせいにするな
コメンテーターの逢坂ユリ(資産運用コンサルタント)は「これだけ次々とトラブルが発覚すれば、北海道の人たちはいつ自分たちが事故に遭うかと安心して鉄道を利用できませんよね」という。たしかに、今回発覚していなければ、いつかは重大な脱線・死亡事故が起こっていた。
野村修也(弁護士)「異常個所はひと晩で直したとJR北海道では話していますが、そんな簡単に修理できるなら、なぜ今まで放置していたのかとあきれますよ」
片山善博(元総務相)「旧国鉄時代には全国に保線区があり、レールの保守でも丁寧な作業をしていました。その国鉄が民営化・分社化されて、コスト削減や人員削減という洗礼を受けた。民営・分社化された当時から、北海道、九州、四国の3社は経営が成り立つのかという疑問が出されていました」
野村「今回のトラブル続発を見ていると、原発事故を起こした東京電力と似たような企業体質ではないかと思われます。現場のスタッフと本社の幹部との間で、コミュニケーションが上手く取れていなかったのではないですか」
このずさんさは、JRになってから始まったことなのか。旧国鉄時代からはびっこっていた体質なんじゃないのか。