宇多田ヒカル不可解コメント「母の本名・宇多田純子。籍も父の籍のまま」離婚してない?

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   藤圭子の死を巡る「騒動」が収まらない。元夫の宇多田照實氏が藤の葬儀を行わず、藤側の親族に会わせなかったため、実兄の三郎氏がいくつかの週刊誌のインタビューに答え、宇多田氏に対する憤懣をぶちまけている。そうした中、娘のヒカルが自分のサイトでコメントを発表したことから、騒ぎはさらに大きくなりそうである。

   <「一連の記事で母の本名が誤って報道されていました。阿部純子ではなく、宇多田純子です。父と離婚後も、母は旧姓の阿部ではなく宇多田姓を名乗ることを希望し、籍も父の籍においたままでした。夫婦だとか夫婦ではないなんてこと以上に深い絆で結ばれた2人でした。亡くなる直前まで、母は娘である私だけでなく、父とも連絡を取り合っていました。父は、母が最後まで頼っていた数少ない人間の1人です」

   離婚後も夫の名前を名乗っている女性はいるが、離婚しているならば戸籍上は「宇多田純子」ではなく「阿部純子」であろう。「籍も父の籍においたままでした」も不可解な表現である。深い絆が2人にあったというのなら、なぜ精神に不安を抱えている藤と離れて暮らしていたのだろうか。

   また、<「遺書はなかったと報道されていますが、今年の始めにしたためられた遺言書はありました。他の解釈の余地の無い、母らしい、非常に率直な遺言書です。その遺言書の内容に基づき、出来る限り母の意向に沿うべく精いっぱいの弔いをしています」>と書いているが、遺書と遺言書は違うはずである。葬儀一切やらぬことと遺言書にあったから何もやらなかったといいたいのだろうが、そこには親族への不満も書き連ねてあったのだろうか。親族には会わせなかったのは藤の「遺志」だったのか。

   まだ波紋を呼びそうだが、『フライデー』に「スクープ入手! 藤圭子『自殺直後の写真』撮った人がいた!」と特筆大書したタイトルがあったのでさっそく買って読んでみた。マンションの前の道路に人影のようなものは映っているが、モザイク処理されているのでよくわからない。遺体を運んだ後の血糊のようにも見える。飛び降りた死体を前にしているにもかかわらず、歩道にいる男たちがあわてていないのも「直後」とは思えないが、これ以上の詮索はやめにしておこう。

   『アサヒ芸能』には、新宿2丁目の「ウリ専バー」に昔、藤がよく来ていたという話が出ている。気に入った男を連れ出しても性的な興味はなく、話し相手をしてもらうためだったという。事実だとすれば、腹を割って話せる身内も友達もいなかったのだろう。藤圭子の救いようのない寂しさが伝わって来る。

集団的自衛権容認の安倍首相にオバマ大統領が迫る「シリアに自衛隊派遣してくれ」

   安倍首相はG20(主要20か国・地域首脳会議)でオバマ大統領と首脳会談をして、オバマがやろうとしているシリア攻撃に理解を示したと報じられている。シリアが反体制派を化学兵器で殺戮したというのが攻撃する根拠だが、アメリカ国内では議論百出で、オバマへの批判も強まっていると『ニューズウィーク日本版』が報じている。

<米政府は先週末、シリアのバシャル・アサド政権による化学兵器の使用で1400人以上が死亡したと発表。バラク・オバマ米大統領は限定的な武力行使を検討していると述べた。
   シリア内戦は、アメリカの国益と複雑に絡み合っている。その複雑さ故に、米政府が実現すべき国益上の目標も、そのための戦略も多数ある。それだけにシリアへの軍事介入については、積極論にも慎重論にもなるほどと思える部分がある。だが残念ながら、オバマは不可解で最悪のアプローチを選択したようだ。
   オバマ政権はシリアへの介入に慎重な立場を繰り返し表明してきた。だが同時に、アサド大統領の排除を強く主張し、化学兵器の使用は「越えてはならない一線」だと政権側に警告する一方、反体制派への小規模な軍事支援を行ってきた>

   だが、このやり方は最悪の選択だという。<中途半端な対応を重ねるうちに、目標を達成できないまま泥沼にはまる――ベトナムの二の舞だ。何もしないか、それとも「限定的」ではない本格的な介入に踏み切るか。オバマはどちらかを選ばなくてはならない。

   介入慎重論の根拠は、シリアはアメリカの国益にとって死活的に重要ではないというものだが、その背景には軍事介入がもたらす結果への懸念がある。

   アサドは残忍な暴君だが、反体制派の内部ではイスラム過激派が勢力を増している。彼らが権力を握れば、イスラム教アラウィ派、同ドルーズ派、キリスト教徒といった少数派を虐殺しかねない。(中略)

   大掛かりな介入に踏み切るか、まったく手を出さないかのどちらかであるべきだ。シリア内戦を終結させ、ましてやアメリカにとって好ましい結果をもたらすためには、地上軍の投入が不可避とまでは言わないまでも、現在オバマ政権が考えているよりはだいぶ大規模で長期の活動が必要になる。(中略)

   唯一の誤った選択は、シリアにおけるアメリカの長期的な目標と戦略を考慮せずに、行動を決めることである。しかし不幸なことに、いまのアメリカはまさにそういう選択を行おうとしているように見える>

   また、<今の反体制派にはアサド政権という共通の敵がいる。だが体制崩壊後は全員が敵になる>とも書いている。オバマはベトナム戦争の教訓から学ばず、再び泥沼の戦争へと足を踏み入れようとしているようである。

   安倍首相に素っ気なかったオバマが、急に電話会談やG20で首脳会談をしたのも、同盟国のイギリスやドイツがシリア攻撃に参加せず、孤立感を深めているからだろう。2月に会ったとき、安倍首相は「集団的自衛権を容認する」といってしまっているのだ。オバマが自衛隊をシリアに派遣してくれと要請してくることは間違いない。

   私も、そうはいっても、集団的自衛権など平和憲法がある限り容易いことではあるまいと高をくくっていた。だが、先日、東京新聞論説兼編集委員の半田滋氏と対談したとき、驚く話を聞いた。安倍首相は集団的自衛権を行使できる「国家安全基本法」を、憲法改正なしに「議員立法」で成立させようと企んでいるというのである。議員立法で提出すれば、過半数の賛成で成立してしまう。

   これは半田氏の書いた『集団的自衛権のトリックと安倍改憲』(高文研)に詳しいが、これをやられたら憲法九条は有名無実化し、戦争のできる国へとあっという間に大転換してしまう。半田氏がいうには、第二次大戦後のベトナムやアフガニスタン、イラクなどの紛争の大義名分は「集団的自衛権」の行使で、しかもそれを行使した国はどこも勝利していない。

   10月に安倍首相は消費税増税をどうするか決断する。それが終わったら、いよいよウルトラタカ派の本性を現し、自衛隊を国防軍に変容させるつもりではないか。しかし、大新聞も他のメディアもこれほどの重大問題に触れようとさえしないのは、「メディアの劣化」ですまされることではあるまい。猛省を促したい。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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