全国各地でエアコンの室外機が盗まれる事件が相次いでいる。塚原泰介アナが千葉県東金市の住宅街にいた。「東金市ではエアコンの室外機の盗難が多発しています。昨年(2012年)は127件だったのですが、今年はこれまでで242件と倍以上に急増しています。被害にあうと、室外機のばら売りはないので、そっくり買い替えなくてはなりません」
いったい、だれが何の目的で盗んでいるのか。
「あさ出勤してきたらホースしかなくなってた」(工務店)
東金市内の道路沿いの工務店・伊藤豊さん宅の室外機は夜に盗まれた。朝出勤して来た社員がホースだけになっているのに気が付いたという。近くの東金トレーニングセンターでは真っ昼間の2時間の間に盗まれた。管理スタッフの木村智活さんは「多くの職員がいて、しかも2時間ごとにパトロールしている中で、午後1時の巡回で発見しました」
室外機が道路から見えるところに置いてある一戸建てや商店、低層アパートが狙われているのだろう。犯罪・防犯アナリストの梅本正行氏は「室外機はホースを外せば男が一人で持ち運べます。道路わきに車をとめて、室外機を外して荷台に乗せる。持ち去るまでには1分もかかりません。今まで盗まれるという発想がなかったので対策がゼロなんです」と話す。千葉県以外にも、埼玉、神奈川、愛知、大阪、福岡と拡大している。
機内のアルミや銅狙い。家庭用で1台3~4000円。業務用1万円
盗む目的は、室外機の中のアルミや銅を取り外して換金するためだ。家庭用の機種なら1台で3000~4000円、業務用なら1万円ちかくになるという。防止策はあるのか。梅本氏は3つあるという。「第1に音、第2に光、第3に時間です。音は室外機の周りに玉砂利を敷き詰める。踏むと大きな音がするので近寄りたくない。光はセンサー付きライトを取り付ければ、暗闇で照らされるので気づかれやすい。室外機を鎖で止めて南京錠で施錠してあれば、取り外しに時間がかかって面倒という心理が働きます。これらの用具は全てホームセンターで用意できます。費用は合計4~5000円ですみます」
窓や戸を開け放していることが多い夏よりも、戸締りして家の周囲が見えにくくなるこれから冬にかけてのほうが多くなりそうだ。
(磯G)