日曜夜9時のTBSドラマの牙城「日曜劇場」に殴り込んだフジテレビだったが、2年間半あれこれやってはみたもののまったく歯が立たず、この春ドラマでとうとう撤退した。新たに割り込んだのが日本テレビ系がドラマ枠としていた水曜日の夜10時だ。日テレの「雲の階段」に「家族ゲーム」をぶつけてきた。「水10」は日テレが苦戦しているドラマ枠で、「シェアハウスの恋人」「東京全力少女」など平均視聴率一ケタ台が続いている。フジにしてみれば狙い所というわけだ。
家族ゲームは目下人気ナンバー1の嵐の櫻井翔を主演にしたドラマで、変人家庭教師の櫻井が教え子ばかりではなく、その家庭も変えていくという「櫻井翔版家政婦のミタ」だ。迎え撃つ「雲の階段」はニセ医者の長谷川博巳と彼を取り巻く女性との三角関係を描いた愛憎サスペンスである。
それぞれの視聴率は初回は「家族ゲーム」12・0%、「雲の階段」が9・2%とフジの1歩リードでスタートを切り、2回目は「家族」13・7%、「雲の」9・0%、3回目は「家族」11・1%、「雲の」9・4%で、いったんは開いた差が1・7%に縮んでいる。「雲の」は原作者の渡辺淳一を出演させた番宣番組まで放送するなど追いつけ追い越せで必死だが、はたして櫻井翔は逃げ切るのか。フジと日テレの面目をかけたレースになっている。(テレビウォッチ編集部)