会津という風土と歴史がイメージしにくいのか、敗者の話で悲壮な印象が漂うからなのか、NHK大河ドラマ「八重の桜」の人気になかなか火が付かない。視聴率もパッとせず、WBCの試合中継とぶつかって12・6%なんて大河としては面目ない数字もある。
ところが、宣伝効果はちょっとしたものだ。会津若松の鶴ヶ城天守閣の入場者数は、放送が始まった1月(2013年)以降、東日本大震災前の1~2割増となっているし、再現された会津藩校・日新館の入場者数は昨年の3倍、震災前の1・5倍だ。「八重の桜」のセットなどを展示した「大河ドラマ館」は約4万人が来場し、関係者は「雪の時期だったのにまずまず」と話す。
これからは桜の季節やゴールデンウィークと重なり、八重ゆかりの施設などにさらに観光客が訪れることが期待されている。実際、鶴ヶ城のボランティアガイドや市内の温泉旅館は予約がいっぱいになりつつある。
日本銀行福島支店は「八重の桜」の経済効果を113億円と試算している。(テレビウォッチ編集部)