重症患者「救急搬送受け入れ拒否」最多は東京、2位埼玉…最も少ない沖縄

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   埼玉・久喜市で今年1月(2013年)、1人暮らしの75歳の男性が体調不良で救急車を呼んだが、埼玉、茨城両県の25の病院が36回にわたって受け入れを断った。結果、2時間半後に病院に運び込まれた時にはすでに心肺停止状態で、死亡を確認するだけに終わった。

「人員や設備がない」「ベッド満床」「他の患者治療中」「専門医不在」…

   1月6日午後11時25分の119番通報は「呼吸が苦しい」だった。6分後の31分には救急車は到着したが運べなかった。38分に久喜市内の病院から始まった受け入れ要請は次々に断られていた。久喜市内の4つの病院をはじめ、さいたま市、春日部市、茨城県古河市など14の市町の25病院から、2度、3度の要請も含め36回も拒否が続いた。午前1時52分、2度目の要請で茨城県境町の病院が受け入れたが、病院に着いたのは通報から2時間50分後の午前2時15分だった。

   拒否の理由は「処置困難(人員や設備がない)」16件、「ベッド満床」7件、「他の患者治療中」5件、「専門医不在」4件、「その他」4 件だった。消防庁によると、救急医療機関が重症患者の受け入れを3回以上拒否したケースは、2011年に1万7281件で、最多の東京は3500件、埼玉は2448件でワースト2位だった。最少は沖縄の3件である。10回以上の拒否も753件、20回以上も47件あった。

   背景には、高齢化による救急患者数の増加がある。国士館大大学院救急システム研究科の島崎修次教授は、「大都会と周辺には医療機関はそれなりにあるので、そちらへ行ってと『たらい回し』が多くなるのです。救急需要に自治体も病院も対応できていないのが実情です」という。

患者の容態目の前で悪化!病院照会電話かけ続けるしかない救急隊員

   7年前の2006年8月、奈良で分娩中に脳内出血を起こした女性が19の病院に受け入れを断られて死亡した事件が、救急搬送の問題点を考えるきっ かけになった。しかし、その後も拒否は続き、08年10月に東京で7つの病院から断られた妊婦が出産3日後に脳内出血で死亡。宮崎・日向市でも09年4月、65歳の男性が7病院に計10回拒否され1時間半後に死亡している。

   今回の事故をキッカケに、久喜市消防本部は内規を設け、病院照会10回以上、現場滞留30分以上については、救急隊と後方支援隊との連携プレーをとることになった。しかし、本来、個々の自治体が対応する問題ではあるまい。島崎教授は「医療側は受け入れにメリットがほしい。手をあげた病院には財政支援も含めて評価できるようなことですね。精一杯働いている救命セン ターを担保してくれるシステムが必要ということです」と話す。

   司会のみのもんた「悲しいね、この日本の現状」

   36回の救急要請コールを表にしたら、さすがに凄まじい。119番から受け入れ病院が決まるまでに2時間30分だ。21回目のコールの午前零時 49分ころ、男性の容態が悪化したが、救急隊員はその後も電話をかけ続けなければならなかった。

   慶応大教授の片山善博「個々の病院にすればそれぞれ理由があるのでしょう。地域全体で考えないといけない。県が地域をまとめ、必要なら支援しないと」と鳥取県知事時代の実例をあげた。さらには法整備と財政支援が必要という。

   みの「人ごとじゃないですからね」

   受け入れ拒否のワースト3、4、5はどこだ? ちょっと気になる。ただ、件数で比べるなら人口の多い都市県ほど多いのは当たり前のような気がする。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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