中学校の理科の実験中に、先生が実験に失敗した生徒に罰として塩酸を飲ませるという呆れる出来事があった。愛知県蒲郡市の公立中学校で昨年12月18日(2012年)、23歳の男性教師が2人の生徒に0.35%に薄めた塩酸15ミリリットルを飲ませた。生徒のうち一人は全部を飲み干し、もう一人は口に入れたものの違和感を覚え吐き出したという。
健康被害について生徒からの報告はなかったが、先週18日(2013年1月)に別の生徒の保護者から連絡があり発覚した。男性教師は教師になってまだ1年で、「実験に集中させるためだった」と釈明しているが、蒲郡市教育委員会は不適切な指導があったとしてこの教師の処分を検討中という。
薄めてあったとはいえ、目や鼻に入れば炎症
希釈した塩酸を飲んで健康への影響はないのか。杏林大医学部救急医学の山口芳裕教授は「大きな健康被害はないが、目とか鼻の粘膜に飛散すると結膜炎などの炎症の可能性があります」という。
司会の羽鳥慎一「まったく理解できないですね。何なんですかね」
主婦モデルの前田典子「塩酸は飲んではいけないと教師が教える立場ですよねえ」
石原良純(タレント)「普通ならやるはずないのに、平気でやるとは。幼稚なんですかね」
いずれも理解不能といったコメントだったが、元共同通信記者の青木理は「教師1年目の先生だったので、知識や経験が不足していたのでしょうけど、教室の中では絶対権力者の教師に子どもたちは抵抗できないということに対する自覚が少し薄かった」と話す。子どもたちが抵抗できるできないの自覚の前に、いくら薄めたとはいえ、劇薬の塩酸を飲ませるのは異常すぎる。子どもたちが真似をしてエスカレートしたらどうするのか。
いまの段階で生徒や保護者から被害届は出ていないが、元検事の大澤孝征弁護士は「被害届が出されれば暴行罪が成立する可能性が高い」という。