アベノミクスで日本の経済は復活するのか。けさ10日(2013年1月)の「朝ズバ!」に、小泉政権の経済財政政策の司令塔をつとめ、安倍政権でも産業競争力会議のメンバーとして加わり、アベノミクスのキーマンといわれる元経済財政相の竹中平蔵・慶大教授が出演、経済ジャーナリスト荻原博子らが日本経済の行方について聞いた。
「経済全体がよくならないと…。時間かかることを覚悟して欲しい」
まず、荻原が聞く。「竹中さんが大臣をやっていたころは景気がよかったのですが、その時に竹中さんがおっしゃったのは、ジャンボジェット機は前輪が上がると後輪も上がると。しかし、後輪は上がらなかった。給料が上がるとか、中小企業が潤うことはなかった。今回も後輪が上がらなければ、元の木阿弥になります」
竹中「実は、後輪が上がり始めた時に改革をやめてしまったのです」
司会のみのもんた「要するに、竹中さんが言いたかったのは、俺があのまま続けていれば良かったのだよということ」
金井辰樹(東京・中日新聞政治部次長)「庶民はいつ後輪が上がるのか、3年も5年も待てませんよと思っています。新橋で飲んでいるサラリーマンたちは、景気を良くして、企業収益を上げて、それから給料を上げるのではなく、まず俺たちの給料を上げてくれと思っています。後輪がいつ上がるかを国民に約束できませんか」
竹中「それは私が約束するわけにはいかないが、たとえば、いまTBSの社員の給料を1割上げることはできないわけですよ。経済全体がよくならないと。やっぱり、国民もある程度、時間がかかるということを覚悟しないといけないと思いますよ。半年や1年で給料が上がるという簡単なものではないのです。うまくいっても、3年ぐらい見ておかなくてはいけない」
日銀総裁就任説には曖昧コメントで煙幕
ここで、みのがオリンピックの話を持ち出す。「いまオリンピックの招致合戦がたけなわですが、スペインのマドリード、トルコのイスタンブールにしても、景気を良くするためにオリンピックの開催をといっています。オリンピックの経済波及効果は大きいのではないですか」
竹中「これは本当に大きな国家目標にしてほしい。世界の都市ランキングで去年はロンドンがニューヨークを抜いて1位になりました。オリンピック効果です。その効果は極めて大きいのです。ネックとなっている国民の支持率が上がるように盛り上げていきたいですね」
最後にみのが聞いた。「ところで、竹中さんに日銀総裁の話が…」
竹中「一つだけ申し上げておきたいのですが、物価目標とか枠組みをちゃんと作れば、人事はそれほど重要ではありません。誰がやるかよりも、どういう枠組みをつくるかの方がはるかに重要です」
みの「こういうのを煙幕を張るっていうわけですか」
2013年は円安・株高で経済界は明るいムードの年明けとなったが、給料が上がるのはまだまだ先のことだ。竹中発言の真意は、7月の参院選で「給料が上がらないではないか」と自民党政権を見放すようなことはやめてほしいということか。