商品クレームはいまや年間1万件にも達し、中にはどう見ても消費者の方に問題のあるケースも少なくない。キャスターの国谷裕子は「クレームから生じた商品の自主回収は、この3か月間でも1000件に達しています。このため、自主回収コストは10年前に比べて8割増となり、企業の経営を圧迫しています。高まる消費者の安全意識に企業はどう対応すべきなのでしょうか」と伝えた。
インスタント麺の粉末スープ分量間違え回収に5000万円
あるインスタント麺メーカーでは、同封しているスープの素の分量を間違えて袋が膨らんでしまった。検査の結果、膨らんだのは一部の商品で、スープの分量を間違えても健康に影響がないことが判明した。しかし、メーカーは全品回収に踏み切り、それにかかった費用が5000万円にのぼった。このメーカーは倒産の危機に瀕している。
国谷「安全コストの膨張は年々増すばかりです。でも、そのコストを商品価格に転嫁できず、企業が四苦八苦しているというのが現状です」
台所用品のラップメーカーは、以前はラップの切り口にアルミなどを使用していたが、切り口で指を切ったというクレームが相次ぎプラスチックに交換した。製造コストは2割増となった。