消費増税法案成立してから増税試算こっそり…シロアリ卑劣!
中山の対極にあるのが官僚たちのやり口である。消費税増税しても社会保障に全額は回らないと警鐘を鳴らし続けている「週刊ポスト」の「野田政権&自民&メディアが隠蔽する『4年後に年収500万円世帯 年間34万円負担増』の極秘試算」は必読である。
このところ値上げラッシュだ。9月には東京電力管内の電気料金が8・46%上がり、10月からの環境税導入により都市ガス料金引き上げが検討されている。7月からガソリン価格がリッター10円以上の値上げになった。輸入小麦の政府卸価格が平均3%引き上げられたため、10月からは食用油や乳製品の値上げが始まり、制度改定により生命保険や自動車保険の保険料も引き上げられる。
ポストは「内閣官房社会保障改革担当室」が作成した極秘資料を入手した。作成日は9月14日(2012年)、まさに民主・自民の党首選の真っ直中である。これを要求したのは、民主党の中でも消費税増税に反対していた川内博史議員で、議員の求めによって試算したとあり、2011年4月における水準と2016年4月における水準の差という副題がついている。
年収500万円世帯(夫は40代サラリーマン。妻は専業主婦。小学生の子ども2人)の場合は、年額33・8万円の負担増になり、年収300万円の単身世代では年額11万円の負担増になる。
さらに、これを作成した側の卑劣さは中身だけではなく、試算を出してきたタイミングにある。川内代議士が試算を求めたのは消費増税法案が国会で審議中だった6月なのに、出してきたのは法案が成立した後の9月だった。
ポストは、この資料を入手しているはずのメディアのほとんどがこれを公表していないことにも怒りをぶつける。唯一報じた朝日新聞でさえ、「年11・5万円負担増 消費税10%時 年収500万円4人家族」とだけ伝え、「これだけの負担増を示す試算が消費増税法案採決の前ではなく、採決を終えてから提出されたことが最大の問題」(川内代議士)なのに、そこに言及しないのかと難じる。川内代議士はこう訴える。
「大増税でも社会保障は充実せず、国民の負担だけが増えて、増税分はシロアリに喰われていくだけです。今からでも遅くないから、負担増ばかりが国民を襲う現実を公表し、改めて増税の是非を議論すべきです」
消費税増税を民主党以上にリードした自民党が次の総選挙で与党に返り咲いたとしても、増税見直しなどできるわけはない。国民はこの怒りをどこへ向ければいいのだろうか。